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『ミラベルと魔法だらけの家』トーホーシネマズ日本橋3

◆『ミラベルと魔法だらけの家』トーホーシネマズ日本橋3

▲きゃー、ミラベルちゃんかわいいーっ(好みなのだ)。

五つ星評価で【★★★★超グロテスク】

ツイッターでの最初の感想(↓)

もっとも言ってはいけない感想。『バスケット・ケース』の兄弟がハグするような映画。

それはそれで冗談なのだが、冗談は置いておいてもグロテスクな映画を作ったもんである。私は大人で悪辣だから、それを見て承知で泣いたり笑ったりしてるのであるが。こんなん子供に見せていいのかよ、と『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の時みたいに頭がグルグルしながら思ってしまった(アレはアレ、コレはコレで、子供に見せたいかどうかの理由はちょっとだけ違う)。
ディズニーだからアット・ホームなハッピー・エンドを強引に手繰り寄せているが、これは家庭にスポイルされる子供の物語である。平たく分かりやすく言うと明るくミュージカル・テイストを加えてラストの抑圧爆発シーンの矛先を180度変えて見せた『キャリー』。主人公のミラベルは身に覚えのない(と言うより自分ではどうにもならない)身体性を楯に取られて家庭内ヒエラルキー最下位にいる。それでも健気に頑張る彼女が泣ける。でも、これ、健常者の家庭に一人、車椅子の女の子がいるような状態だろう(あー言っちゃったよ俺)。「何にもしないで、そこにいなさい」。それはもう彼女自身の存在の全否定だ。別に車椅子に限らない。発達障害であったり、極度に内向性が強かったりでもミラベル的な立場は誕生しうる。そういう意味では、最初のダンスシーンで、町の人からギフトの無い彼女に花火や楽器がギフトとして与えられたりするのにホッとする。家族より村の人の方が彼女を気遣ってあげているっぽい。ううっ、村ぐるみで児童相談所かよ。彼女は家族の一員以上に村の一員である。だからこそ彼女はギフトを賜らなかったのかもしれないし、賜らなかったからこそ彼女と家族以外の村の人との距離が近いのかもしれない。だが、それはやはり結果であり、彼女からしてみれば謂れのない試練だろう。それは物語だから、という実も蓋もない事を言ってしまわない限り、最終的に彼女が何故ギフトを賜らなかったのかは明らかにはされないのだ。なんてイケズなんだ神様。
だから、ミラベルと一緒にハラハラドキドキしながら「ばばあバカヤロー」と凄い思った。そこは幸福な「ばばあ許してやる」に繋がるのだが、現実世界ではなかなかそうもいかないだろう。だからちょっと胸を痛めた。逆に現実問題として家族にプレッシャーを与えられている子供に対しては「ばばあバカヤロー」と言っていいのだよ、という福音になる映画なのかもと一縷の希望を持たんでもないが、実際の現実はアニメより強いんじゃないかと言う停滞も気づいている。だから、無条件に「わはははは、ハッピーエンドでよかった。じゃあ寝るか」ではないと思うのだ。分かったか、ディズニー。

ミラベル好き。ちょっとオカメな感じがたまらない。
おばあちゃんの三つ子がギフト持ちで「天候操作」「治癒」「予言」を持つ。これはどれも未開の地で生きていくのにたいへん役に立つ恩恵であると言えよう。
その次が「怪力」「花を咲かせる」で、これは実用的に生活を向上させる魔法。
この辺りまでが恩恵っぽいギフトで、この後かなり変な方向にずれてくる。
「変身」「聴力」「動物と心を通わす」、こんなんでいいのなら何でもありだろ。「爪を回転させて飛ばす」とかでもいい。スタンド能力かよ。

グチって当たったが、たいへん楽しませてもらったので、時間都合で字幕版で観たが、出来れば吹替版も見たい。


【銭】
トーホーシネマズの有料入場ポイント6ポイントを使って無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ミラベルと魔法だらけの家@ぴあ映画生活
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ミラベルと魔法だらけの家

そこは魔法に包まれた、不思議な家。 家族それぞれが家から与えられたユニークな《魔法の才能(ギフト)》を持つ中で、ただひとり少女ミラベルだけは何の魔法も使えなかった。 なぜ彼女だけが魔法の才能ギフトを持たないのか? そして、《魔法だらけの家》に隠された驚きの秘密とは…? ミラベルの奇跡の冒険が幕を開ける…。 ファンタジー・アニメ。

ショートレビュー「ミラベルと魔法だらけの家・・・・・評価額1600円」

魔法って、本当に必要? ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの、記念すべき60本目の長編作品。 舞台は南米コロンビアの山奥、奇跡によって守られた秘密郷、スペイン語で「魅力」を意味するエンカントと名付けられた村。 映画の年代は明示されていないが、村を作ったのはコロンビアで“暴力の時代”と言われる1940年代から50年代頃に、難民としてやってきた人々の様だから90年代くらいか。 この...

コメント

非公開コメント

そんな映画だったんだ
観たい!!

Re: タイトルなし

こんちは、カシス☆さん。

> そんな映画だったんだ
> 観たい!!

くれぐれも自己責任でお願いします(ヘタレだな俺)。

こちらでは吹き替え版一択だったオリジナル音声でも観たいな〜
ところで「バスケット・ケース」って?
なんかゾワゾワする
探して観てみよう!

Re: タイトルなし

こんちは、カシス☆さん。

> こちらでは吹き替え版一択だったオリジナル音声でも観たいな〜
> ところで「バスケット・ケース」って?
> なんかゾワゾワする
> 探して観てみよう!

「バスケット・ケース」はマジ自己責任映画。とは言いつつ、まあ、そこそこ愛い奴じゃ。

はて?

一族の危機に気づいたミラベルを、なぜ誰もフォローしなかったんだろう。
長女辺りは気付いてなかったかい?
それ以外でも、結構「ん?」ってのが多かったな。
(記憶が飛んだ憶えはないが。)

>ミラベル好き。ちょっとオカメな感じがたまらない。
メガネっ娘で更にポイントアップなのかな?
メガネっ娘といえば、「デギン・ソド・ザビ」はどうでしょう。

Re: はて?

こんちは、先輩。

> 一族の危機に気づいたミラベルを、なぜ誰もフォローしなかったんだろう。
> 長女辺りは気付いてなかったかい?

一族の危機を彼女が気づける筈がないという油断があったかもしれない。で、危機に面すると自分の能力がなくなってしまい、全体どころの話ではなくなったのではないでしょうか?



> >ミラベル好き。ちょっとオカメな感じがたまらない。
> メガネっ娘で更にポイントアップなのかな?
> メガネっ娘といえば、「デギン・ソド・ザビ」はどうでしょう。

ちんちん持ってる生き物は端から除外よ。

こんばんは

誰かがミラベルを、アイドルグループで推されない子に例えてたけど、自分で選んでこの家に生まれた訳じゃないのでもっとキツいよね。
最後は魔法がなくなった方がよかった。
ディズニー的にまずいのかも知れんけど。

こんばんは

ジェームズ・ワンは絶対三池崇史の「インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜」を見てると思う。

Re: こんばんは

こんちは、ノラネコさん。

> 誰かがミラベルを、アイドルグループで推されない子に例えてたけど、自分で選んでこの家に生まれた訳じゃないのでもっとキツいよね。
> 最後は魔法がなくなった方がよかった。
> ディズニー的にまずいのかも知れんけど。

しかし、本来のディズニー・プリンセスのラインと言うのは、魔法での冒険は面白かったけど、王子のお嫁さんになる事で魔法など使わずとも幸せになるという物だったんじゃないだろうか。プリンセスは王子を射止めてもプリンセスという、職場は変わらずに、ずっと生活し続ける。だから、魔法があってもいい。そういう理屈なんだろう。

Re: こんばんは

こんちは、ノラネコさん。「マリグナント」っすね。

> ジェームズ・ワンは絶対三池崇史の「インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜」を見てると思う。

う~ん、そうやろね。趣味悪か。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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