栄一がパリから帰ってきた辺りから終わりまで。
渋沢栄一は吉沢亮が子役時代以外を一人で演じたので、決して偉そうな人物ではなく、いろいろうっけものみたいな面がずーっと踏襲されていてよかった。評判がいいのは草彅剛、これはいい配役だった。「申し訳なさそうな人」が似合う。草彅の奥さん役の川栄李奈なんて可愛いだけでまあ、それはそれでいいのか。浪岡一喜がゴリゴリの武闘派な顔で、自分に不得手な書類仕事に精を出すのも泣けた。フランスから帰ってきた辺りからでだすイッセー尾形の常人と思えないような演技も好き。栄一の敵ではあるけど、実は似たような境遇を経ており、視野は狭いが懐が深いという不思議な役。
渋沢栄一は農民-尊王攘夷志士-一橋家-洋行-静岡藩-明治政府-実業家とコロコロ居場所を変えるが、割と能力を乞われて居場所を変えているのが本人は辛そうだが、ドラマ的には上昇感があっていい。
明治政府の中では渋沢栄一以上にデタラメだけど、良くも悪くも存在感のある大倉孝二の大隈重信が面白かった。つか、大倉孝二そのままではないのか?いや、好きだけど。
後半ディーン・フジオカを初め、実際は老齢だからなんだろうけど、外見があまり変わらないのにバタバタ人が死んでいって不吉なドラマになる。多分、例年より10回くらい本数が少ないからそれで後半駆け足になったのかもしれない。ラスト、渋沢栄一がちょっとだけ薄い老けメイクで80越えているのだろうけど、40くらいにしか見えない。
息子も孫も並んで立ってどっちが年上だか分からない。みんな実際は同じような年なんだろう、きっと。
「金金金金いう世の中になった」という批判も、「戦争をやりたい奴はどうしても戦争をやるのだ」という言葉も的を射ている。そのどちらも政治家に命令されて、そういう体制の維持を手助けしてそうなのが同じNHKの報道部なのがちょっとゲンナリなのだが。
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