
▲「ゲーム野郎に本物のドリフなんて出来る訳ねえだろ」「あいーん」ガラガラガッシャーン
五つ星評価で【★★★★に近い★★★舐めてた奴がとんでもない奴だった進化形】
ゲーマーだと舐めていたら実車に乗っても凄えじゃん。
基本、この映画はこのカタストロフもといカタルシスで成立してる。
ゲーマーがコミュ障だったり成長ストーリーがあったりとか付いてるけど、基本、いろいろな階層の偉そうにしてる奴が鼻を明かされるのが楽しくてたまらない。主人公は映画ヒエラルキー的に最下層にいて、同僚の会社員からは疎まれ、お情けで倉庫に住まわせてもらってる状態だが、実は誰も知らないけどゲーマー日本一なのだ。このプライドはあるのに、どこにも誇れない状況にキュンと来る。みんな仕事でも趣味でも辛いじゃん。半信半疑でスカウトに来た女の子からも懐疑の目を向けられ、そこの社長、メカニックなどからも当然のように信用されない。それを一つ一つ跳ねのけて味方にして行き、最後に勝利を手に入れる。少年マンガかよ。
ゲーマー出身のレーサーが舐められるのは生理的に良く分かる。嫌な生理だけど。
車乗るのに長けている人達は「うえーい」感があるから、尚更だ。
そんなゲーマー出身のレーサーに野村周平。めちゃくちゃ適役。この人、派手さがないくすぶるような役者じゃん。なんか松田龍平に似てきた気がする。ちょっと痩せた方がいいかも。この野村周平が相手に舐められてもカッとしたりしない所がリアル。オタクの彼は様々な局面で舐められていて、「舐められ馴れている」のである。
それをスカウトする女メカニックに吉川愛。こんな美女がメカニックやってるのは少年マンガだけだろう。いけ好かないライバルレーサーが出てくるが、どうせだったら「うちのチームのレースクィーンに」発言とかして激昂させてほしかった。「車より俺の身体をメンテナンスしてほしい」みたいなセクハラ発言もしてほしかった。どう見てもレースクィーンより美女だもの。ちょっと脱いでもらってほしかったかも。
メカニック長に本田博太郎。本田博太郎がメカニックと言われれば、納得するしかない。本田博太郎が北京原人と言われても納得したし。そこに本田博太郎が居さえいれば役が近づいてくる。実はメカニック長のように見えるが、本当は謎のモグリ医者だったり、謎のコックだったとしても本田博太郎なら全然大丈夫だ。
レーシングチームのリーダー兼社長に陣内孝則。この人は白髪で痩せて老人になって、男なんだけど夏木マリっぽい。マジな話、ドレスを着ればそれなりに似合いそう。マジだからかそれってちょっと怖い。『爆裂都市』の頃から演技は変わっていないが、それはそれで良い。吉川愛が娘役だが、あまりにも当然のように母親が出てこない。多分、少年マンガ設定で母親は先になくなっているのだろう。まさか、実はモロ師岡が母親という事もあるまい。全然関係ないが、あばれるくんが歳を取ると陣内孝則に似てきそうな気がする。
メカニックにもう一人モグラっぽい人がいて、その控えめなメカニック振りが実に良かった。
ライバルレーサーのスポンサー女社長に土屋アンナ。ただ単に強い者にお金を与えると言うゲスな役。このゲスな役に土屋アンナが宇宙一ピッタリ。土屋アンナもこのまま忠実に歳を重ねれば夏木マりっぽくなりそう。面妖なり。
ビッグタイトルを持つラスボスが青柳翔演じる「小林総一郎」。映画内で「総一郎さん」とずっと呼ばれているので『めぞん一刻』の犬を思いだしてしょうがなかった。
『ALIVEHOON アライブフーン』って題名は何? 主人公が所属するレースチームが「チームアライブ」だけど「フーン」って何? 「走り屋」みたいな意味があるのか? 自動翻訳させたら「生きてるふーん」って出たからちょっとかっこ悪いぞ。
あと、素人にも分かるように解説が付いたり、チーム一喜一憂をちゃんと映したりみたいな姿勢は映画として良い。そういうの案外、置いていきがちになる事も多いから。
【銭】
トーホーウェンズデー(サービスデー)で1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・ALIVEHOON アライブフーン@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
・ALIVEHOON アライブフーン@ノラネコの呑んで観るシネマ