『俺は善人だ』『静かなる男』『プリースト判事』『太陽は光り輝く』シネマヴェーラ渋谷
- Date
- 2022/08/07/Sun 11:46
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
特集「蓮實重彦セレクション 二十一世紀のジョン・フォード part1」から4プログラム。
◆『俺は善人だ』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★ハラハラドキドキ】
1935年、白黒、93分、初見。ジョン・フォード監督。
見た直後のツイッターの呟き(↓)。
ハワード・ホークスの凄いタイトルの他人の空似映画。臆病なサラリーマンがギャングに似てた事から生活を侵食されていく描写が分かりすぎて辛い。主役のサラリーマン日本なら金子信夫だ。キップのいい同僚姉さんがステキ。
ジョン・フォードとハワード・ホークス間違えててごめん。カタカナの名前はあかん(そんな理由かよ)。
これはやられたなな感じで面白い。そもそも主人公のサラリーマンの臆病な善人っぷりに好感を持たざるを得ない。まあでも、あんなに臆病なのはちょっと自分を見てるようで辛い。主人公は極端な例にしても、一般市民はごくごく普通に暴力には屈してしまうと思うのだ。だから暴力は怖い。ツイッターでは金子信夫と呟いたが、遠藤太津朗の方が似てるかもしれない。主人公が好きな同僚が水商売やってないだけで、ヤンキーあがりみたいなズベ公なのはよい。まあ、そうでないと恋が発生したりしないものな。そう言えば、主人公が鳥と猫を飼っている設定だったが、あれいらないんじゃないだろうか?
◆『静かなる男』シネマヴェーラ渋谷

▲ちんちん触らせようとしてる痴漢にしか見えないよ、ジョン(おま やめろ)
五つ星評価で【★★★夫婦喧嘩だジョン・ウェイン】
1952年、カラー、130分、初見。ジョン・フォード監督。
「いや~ん、のび太さんのエッチ~!」
「違う違う『しずかになる男』じゃない」
それはさておき、割と脈絡なく(恋の時間が短い)、惚れた腫れたで、すぐキスして結婚してしまうジョン・ウェインとモーリン・オハラ。言わんこっちゃない感じで、すぐそれぞれの信念の違いで夫婦ゲンカになる。あのジョン・ウェインに何ら怯む事のないモーリン・オハラ、狂人かよ。とゆーか、ちゃんと主張が出来る女の強さよ。文化的に何を優先するかの違いで、どちらが正しいという訳でもないが(映画が主人公に寄り添って作られるので、観客はジョン・ウェイン側に付いてしまうが)、それを紛争の地アイルランドでやる事の皮肉よ。ジョン・フォード自身がアイルランド出身らしいのだが、他のどんな映画よりアイルランドが美しく撮られている。場所によって違いがあるのかもしれないが、豊潤な土地に見える。他の映画のアイルランドは作物が捕れたりする印象は全くない。とりあえず誰か撃たれて死んじゃうような土地だ。と言うより街であって、田舎が出てくると、岩肌が剥き出しでゴツゴツしてて、いつも曇り空という印象。あと、場所がどこであっても、野郎はパブで飲んだくれている。飲んだくれ描写はあるが、それは逆におとなしい。アイルランド人的に見て、飲んだくれるのなんて日常だから大した事ないですよみたいな、そんな感じなのかもしれない。
タイトルの『静かなる男』に沿うように、極力、争いを避け、理性で自我を抑え込んできたジョン・ウェインが、後半ついにそれが外れてしまい、イケイケにな流れになるのが、何かもう楽しくてたまらない。非紳士的に引きずり回されるモーリン・オハラ。そんな事をされながら、それぞれの問題点が解決されて分かりあって目がトロンとしてる。うはははは。男尊女卑万歳みたいなんだが、この辺り溜まってた鬱憤が解消されてたまらん。そして、問題のあるモーリン・オハラの兄と一騎打ち。これも延々と延々とやってて楽しい。最後は「お前は大した奴だ」という「友情・努力・勝利」的なジャンプ展開になり、わだかまりがあった兄、妹、義弟の三人の関係が全てクリアされるのだが、よう考えたら結婚初夜もその次の二日目もセックスしなくて、この夫婦は良いのか? セックスより持参金の方が大事な嫁で本当にいいのかジョン・ウェイン?
「セックスの話で終わるなんて、いや~ん、ふじきさんのエッチ~!」
「違わない」
◆『プリースト判事』『太陽は光り輝く』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★,★★よう分からん】
1934年、白黒、81分、初見。ジョン・フォード監督。
1953年、白黒、101分、初見。ジョン・フォード監督。
『プリースト判事』がオリジナルで、『太陽は光り輝く』がリメイクと言われているが、同じプリースト判事という主役キャラを使った(役者は別)別のエピソードみたいである。断言しかねてしまうのは似た設定や、似た話が中に残ってるから。うーん、いやまぁ、太陽、プリーストの順で解説なしで見たが、ふじきさんお馬鹿なのでどっちもよう理解できなかった。えっ、これ、同じ話? 部分部分共通してはいるけど。もやもや。映画.comの粗筋(ラストまで書いてある)読んで納得、やっぱ違う話だなあ。アメリカ南北戦争の戦後の空気がまだ濃い南部の町で、微妙に戦争の空気が話の裏に残っている。登場人物の背景が分かりづらい。所詮この辺はアメリカ人じゃないから、説明されないと分からない部分はようけある。軽く復習をした今、もう一回見なおしたい。
映画のあちこちにケンタッキー・フライドチキン音楽が流れる。
『太陽は光り輝く』のプリースト判事が西田敏行、いや、上島竜平が真似をした西田敏行に似てる。
【銭】
各作品、一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください
・俺は善人だ@映画.com
・静かなる男@映画.com
・プリースト判事@映画.com
・太陽は光り輝く@映画.com
◆『俺は善人だ』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★ハラハラドキドキ】
1935年、白黒、93分、初見。ジョン・フォード監督。
見た直後のツイッターの呟き(↓)。
ハワード・ホークスの凄いタイトルの他人の空似映画。臆病なサラリーマンがギャングに似てた事から生活を侵食されていく描写が分かりすぎて辛い。主役のサラリーマン日本なら金子信夫だ。キップのいい同僚姉さんがステキ。
ジョン・フォードとハワード・ホークス間違えててごめん。カタカナの名前はあかん(そんな理由かよ)。
これはやられたなな感じで面白い。そもそも主人公のサラリーマンの臆病な善人っぷりに好感を持たざるを得ない。まあでも、あんなに臆病なのはちょっと自分を見てるようで辛い。主人公は極端な例にしても、一般市民はごくごく普通に暴力には屈してしまうと思うのだ。だから暴力は怖い。ツイッターでは金子信夫と呟いたが、遠藤太津朗の方が似てるかもしれない。主人公が好きな同僚が水商売やってないだけで、ヤンキーあがりみたいなズベ公なのはよい。まあ、そうでないと恋が発生したりしないものな。そう言えば、主人公が鳥と猫を飼っている設定だったが、あれいらないんじゃないだろうか?
◆『静かなる男』シネマヴェーラ渋谷

▲ちんちん触らせようとしてる痴漢にしか見えないよ、ジョン(おま やめろ)
五つ星評価で【★★★夫婦喧嘩だジョン・ウェイン】
1952年、カラー、130分、初見。ジョン・フォード監督。
「いや~ん、のび太さんのエッチ~!」
「違う違う『しずかになる男』じゃない」
それはさておき、割と脈絡なく(恋の時間が短い)、惚れた腫れたで、すぐキスして結婚してしまうジョン・ウェインとモーリン・オハラ。言わんこっちゃない感じで、すぐそれぞれの信念の違いで夫婦ゲンカになる。あのジョン・ウェインに何ら怯む事のないモーリン・オハラ、狂人かよ。とゆーか、ちゃんと主張が出来る女の強さよ。文化的に何を優先するかの違いで、どちらが正しいという訳でもないが(映画が主人公に寄り添って作られるので、観客はジョン・ウェイン側に付いてしまうが)、それを紛争の地アイルランドでやる事の皮肉よ。ジョン・フォード自身がアイルランド出身らしいのだが、他のどんな映画よりアイルランドが美しく撮られている。場所によって違いがあるのかもしれないが、豊潤な土地に見える。他の映画のアイルランドは作物が捕れたりする印象は全くない。とりあえず誰か撃たれて死んじゃうような土地だ。と言うより街であって、田舎が出てくると、岩肌が剥き出しでゴツゴツしてて、いつも曇り空という印象。あと、場所がどこであっても、野郎はパブで飲んだくれている。飲んだくれ描写はあるが、それは逆におとなしい。アイルランド人的に見て、飲んだくれるのなんて日常だから大した事ないですよみたいな、そんな感じなのかもしれない。
タイトルの『静かなる男』に沿うように、極力、争いを避け、理性で自我を抑え込んできたジョン・ウェインが、後半ついにそれが外れてしまい、イケイケにな流れになるのが、何かもう楽しくてたまらない。非紳士的に引きずり回されるモーリン・オハラ。そんな事をされながら、それぞれの問題点が解決されて分かりあって目がトロンとしてる。うはははは。男尊女卑万歳みたいなんだが、この辺り溜まってた鬱憤が解消されてたまらん。そして、問題のあるモーリン・オハラの兄と一騎打ち。これも延々と延々とやってて楽しい。最後は「お前は大した奴だ」という「友情・努力・勝利」的なジャンプ展開になり、わだかまりがあった兄、妹、義弟の三人の関係が全てクリアされるのだが、よう考えたら結婚初夜もその次の二日目もセックスしなくて、この夫婦は良いのか? セックスより持参金の方が大事な嫁で本当にいいのかジョン・ウェイン?
「セックスの話で終わるなんて、いや~ん、ふじきさんのエッチ~!」
「違わない」
◆『プリースト判事』『太陽は光り輝く』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★,★★よう分からん】
1934年、白黒、81分、初見。ジョン・フォード監督。
1953年、白黒、101分、初見。ジョン・フォード監督。
『プリースト判事』がオリジナルで、『太陽は光り輝く』がリメイクと言われているが、同じプリースト判事という主役キャラを使った(役者は別)別のエピソードみたいである。断言しかねてしまうのは似た設定や、似た話が中に残ってるから。うーん、いやまぁ、太陽、プリーストの順で解説なしで見たが、ふじきさんお馬鹿なのでどっちもよう理解できなかった。えっ、これ、同じ話? 部分部分共通してはいるけど。もやもや。映画.comの粗筋(ラストまで書いてある)読んで納得、やっぱ違う話だなあ。アメリカ南北戦争の戦後の空気がまだ濃い南部の町で、微妙に戦争の空気が話の裏に残っている。登場人物の背景が分かりづらい。所詮この辺はアメリカ人じゃないから、説明されないと分からない部分はようけある。軽く復習をした今、もう一回見なおしたい。
映画のあちこちにケンタッキー・フライドチキン音楽が流れる。
『太陽は光り輝く』のプリースト判事が西田敏行、いや、上島竜平が真似をした西田敏行に似てる。
【銭】
各作品、一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください
・俺は善人だ@映画.com
・静かなる男@映画.com
・プリースト判事@映画.com
・太陽は光り輝く@映画.com
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