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『JOKER ジョーカー』シネマヴェーラ渋谷

◆『JOKER ジョーカー』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★痺れる】
特集「キャメラを抱いて走れ! 撮影監督 仙元誠三」から1プログラム。
1996年、カラー、96分、初見。きうちかずひろ監督。
『ビー・バップ・ハイスクール』原作者きうちかずひろによるVシネマ監督作品。きうちかずひろは先日他界された石井隆監督同様、マンガ以上に演出の才能に秀でている。見て外れた事がない。これで何で「監督として」有名にならないのかが謎、、、、、興行的な当たりがないからだ。これも低予算のVシネマで、今回は監督所有の16ミリフィルムでの上映とのこと。すげー。見ていて、ひりついて、ひりついて、ひりついて、たまらない。
シネマヴェーラ渋谷のチラシ曰く
落ちぶれた男と女の逃避行から、男に仲間を撃たれたチンピラたちの復讐劇に移行する後半が最高。
そうそうそうそう。
主人公の落ちぶれた男と女はさして魅力的でもなければ、共感性も高くない。男はただ腕っぷしが強い家庭に入ったらDV奮いそうなクズだし、女もたまたまOLをやってるが、目的もなく、フラフラしてる瘋癲まがいである。かっこよくない。あまり抱きたい気持ちにさせない。にもかかわらず、この二人が主人公足りえているのは降りかかる火の粉を払いながら、本当に弱くて踏みにじってはならない者を最後は無視できなかったギリギリの選択、いや、そこではないな。屑度が他の屑より薄かったからに他ならない。周りのクズ濃度が濃すぎて凡庸な存在が光って見えるって構図が凄い。
仲間を殺された屑が復讐に自己確立する絵がかっこいい。三人組のチンピラは彼等の生存を許さない社会によって、危険を熟成させる。やはり、後半はこちら側の屑のやるせなさの方が心を撃つ。

不倫中の女とただ別れたくないばかりに、旧知のヤクザに交渉を頼んだら、ヤクザから逆に金蔓にされるわ、チンピラの逆恨みに会うわ、で、1ミリもかっこ良くない斉木しげるも良い。何て見事にブザマなんだろう。でもあれは自分達小市民に他ならない。それに「斉木しげる」という顔を充てる事で、安心して自分達と別の存在として見てられる。斉木しげるって撮りようでは綺麗な顔なのに、始終「迂闊」な感じも実に「斉木しげる」っぽい気がする。何やら、人生が薄そうな感じ。

非武闘系のヤクザ佐藤蛾次郎の近くにこんな奴いたら鬱陶しくてたまらないけど、ヤクザだから振り払えない度も凄い。暴力的な実力は低く、上手く立ち回れる事で生きてきた男という人生が見て取れる。佐藤蛾次郎のちんちんはでかそうで咥えるのイヤだ。別に誰のちんちんも咥えるのイヤだが。あ、『オーバーロード』のマーレのちんちんだけは咥えてもいい。というより、率先して咥えたい。おいおい。

それにしても、タイトルだけは本当にダメ。見る気を削ぐ。見ようによっては「ババ抜き」をデスゲームしたようなストーリーだなとも思うのだけれど。


【銭】
各作品、一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品の概要を見てもらおうと思ったが「映画.com」にコンテンツとして未登録。成人映画以外ではこんなの初めて。らめえ。こんなの初めてぇみたいな。おいおい。
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Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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