
▲よく考えると分かるような分からないようなタイトルだ。
五つ星評価で【★★★★ちゃんとしたアニメだと思う】
『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』のスタジオ・コロリド作品だから、それは見るでしょ。願わくば皆が皆「ジブリ」という理由で、ジブリ映画を見に行ったように、「コロリド」という理由でスタジオ・コロリドの映画を見に行けばいいのに。3本目を見て信頼度が更に上がった。ペンギンはSF、猫はファンタジー、今回も系統で行くとファンタジーかな。エルフとか出てこないけど。
上手いと思うのは現実の延長で起こる変な出来事が「起こらなくもなさそうに見える」点。この映画には、最後、「実はこれこれこういう現象でした」という種明かしがなされない。変な事が起きて、登場人物達はその事件をきちんと乗り越えるが、それが何であるかはギリギリ寸止めで説明されない。でも、アウトラインは分かるし、こうだろうなとも思う。その、匙加減が上手い。こういうのが出来るって上品。ちなみに、これと反対なのが『夏へのトンネル、さよならの出口』、怪異は起こるが、何でそんな恣意的な怪異が起こるのか分からないという点で、物語としては説得力を損ねてしまっている。
登場人物達がちょっとビビリすぎたり、表情過多かなとも思うが、普段、子供と接しないので実際はこんなんかもしれない。漂流団地に乗り込む7人のうち、最初からあちこち不和な関係を引きずらせているので、見ていて五月蠅く感じるのは多少しょうがないかなとも思う。乗り込む7人が大人でも、徐々に不和の亀裂が大きくなっていくような展開は見ていて心が痛む(※ ちなみに俺には心あります)
登場人物7人も乗ってて、何回となく過去のエピソードが挿しこまれたりもするが、全く混同もない。キャラの住み分けが良い。『七人の侍』よりよい(本当)。「やっぱ竹千代はノッポくんかな」とか無駄な連想を結構引きずった。あと、明確にキャラを打ち出した後は必要な部分しかドラマに関与させない思いきりも功を奏している。
7人の中ではバランス緩衝材みたいなメガネの女の子が可愛いが、観覧車さんには敵わない。
【銭】
テアトルの会員割引で1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・雨を告げる漂流団地@映画.com