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『マイ・ブロークン・マリコ』トーホーシネマズ池袋5

◆『マイ・ブロークン・マリコ』トーホーシネマズ池袋5

▲マカロニな空気感の永野芽郁。

五つ星評価で【★★但し、永野芽郁は良い】
まず永野芽郁は素晴らしい。マカロニの空気感を羽織って、常にギスギスしてる。こんな役も出来るのだ。
見終わって、話は理解できたが、何か一つ心臓にナイフを深く刺されていない感じ。
物語としては、とてつもなく不幸な少女が一人いて、その不幸な少女をずっと気づかっていた少女がいて、不幸な少女は自分の不幸を彼女に半分背負わせる事で依存しあう関係になる。二人の蜜月は不幸な少女が投身自殺した事で終わり、残された少女は彼女の遺骨を奪って、二人で行く筈だった海に散骨しに行くが、途中でひったくりに会い、散々な目に会う。海以降の展開とラストは控える。
散々クソみたいな目には合ったが少女シイノはマリコを取り返す。めでたしめでたし。だが、腑に落ちない。シイノとマリコは小学生からの付きあいであり(いや中学生か?)、小・中・高・社会人&プーとずっと親交を深めてきた。その長い期間でマリコを救う方法は他にあったんじゃね? 児童相談所は役に立たないのか? 学校は介入してくれないのか? シイノの父母や責任者は無力なの? そこはボカされてる。そこはそこで大事なのに語られない。

映画は1900円だが(1200円で見たが)、原作のマンガは650円+税なのでマンガを買って読んだ。マンガ安いのう。疑問に思った部分はマンガにも描かれていなかった。映画の内容はマンガのトレースだった。うまい事トレースしているが、単にマンガの内容を映画に置き換えても映画にはならない。映画は人間が演じるから、そこにリアリティーが発生する。やはり、この物語で、まるで切り離されたようにシイノの家庭が出てこないのは不自然だ。マンガでも出てこないが、マンガ上では不自然にならない。マンガは印象的な事件のピックアップの羅列であり、その羅列から漏れた物は描写する必要がない物として扱われる。そういうエピソードがあっても問題ないが、なくても問題ない。だが、映画はそうはいかない。そこは潰すべき設定だ。でないと、全体の世界観が壊れる。
それらを敢えて無視するやり方もある。それは映画での表現をまるでマンガであるかのように、極彩色やらエフェクトばんばんかますやり方だ。映像が飛びぬけて変だからリアリティーがどうのこうのは吹っ飛ぶ。監督脚本のタナダユキはガチガチにリアル方面に設定を決めまくるか、設定なんか気にならないほど映像や表現を決めまくるか、両極端のどっちかに寄せるべきだった。


【銭】
トーホーウェンズデーで1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
マイ・ブロークン・マリコ@映画.com
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マイ・ブロークン・マリコ

ブラック企業に勤務している女性シイノトモヨの親友イカガワマリコが、マンションから転落死した。 幼い頃から父親や恋人に暴力を振るわれ、人生を奪われ続けたマリコの遺骨が毒親の手に渡ったと知り、シイノは居ても立っても居られず遺骨を奪取。 学生時代にマリコが行きたがっていた海へ、彼女の遺骨を連れて行こうと決意する…。 ヒューマンドラマ。 ≪勝手に逝った、あんたのために。≫

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Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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