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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『Dr.コトー診療所』新宿ピカデリー8

◆『Dr.コトー診療所』新宿ピカデリー8

▲美しすぎる風景だが、逆にこの美しい風景がコトーの敵という逆説でもある。

五つ星評価で【★★★前半じっくりじっくり上まで登っていって最後の30分でひたすら地獄に向けて急降下するジェットコースターみたいな映画】
マンガは一通り読んでいて、2シーズンになったドラマは一回も見ていない。
にしても、コトーも星野さんもシゲ爺もみな外観は人が演じるにあたってアレンジを余儀なくされてるのだけど、それが何ら問題にならないのは、マンガのキャラクターのコアな部分を役者がちゃんと活かして引き継いでいるからだ。
映画の前半は島でのコトーのちょっと無理目になっている生活を新米医師の目でもう一回見つめ直させる。多分、この第三者の目でコトー先生の凄い所を捉え直す部分がドラマのコトーらしいところとニアイコールだろう。じっくり描いていて多少テンポ悪い部分もあるが、ここは面白い。問題は後半の不幸のつるべ打ちである。何故、一度に何から何まで起こるのか。その土砂崩れのような不幸の頻発を意図的に見えないように整理できなかったのは、プロデュースと脚本が悪い。前半で立てた偉大な医者としてのコトーを後半は壊しに掛かる。高橋海人の新米医者がTVスポットで絶叫しているように、「たまたまこの島はコトー先生がいたから」と言うのは本当に正しくて、そして、その問題点は映画が終わっても何ら解決していない。これをハッピーエンドと捉えていいのかどうかは非常に疑問。解決策はきっと都会から医者を浚って来て監禁する。手錠と足錠で自由を奪い、治療をしなければ食事を与えない。いや、それは更に正しい気がするが、ハッピーエンドが難しすぎる。
まあでも、医者の映画で離れ島が出てくると、島民がいきなり全員健忘症になったかのようにムチャクチャ怪我人になってしまうのはちょっと困る。診療所に押し寄せる怪我人がゾンビみたいで本当に怖い。ああいう時、みんな身勝手になるのは離島の怖さか。どんな時でも身勝手な泉谷しげるすげーなー。つーか、手術を終えてヘトヘトのコトーを開放せずに、ずっと「ばんざーい、ばんざーい」とやってる島民の姿は、とても心優しい人には見えなくて怖かった。

だがまあ、何と言っても凄いのはエンディングに中島みゆきが掛かると、ムチャクチャいいドラマ見た感がズンズン高ぶってしまいそうになる事だ。こわか。
それにしても、コトーは親切バカだ。他人に親切に振る舞うことに夢中になりすぎて、自分の損失や損害を無視してしまう。でも、コトーの映画を見に来る人は、そういう親切バカが好きな人だ。でも、親切バカがひどい目に会いっぱなしになって、それで楽しいとも思わないだろう。その辺、バランスよく作らないとエンタメにならんよ、こーゆーんは。


【銭】
前回有料入場割引+ネット割引1300円(100円値上げした)。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
Dr.コトー診療所@映画.com
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Dr.コトー診療所

本土からフェリーで6時間かかる日本西端の孤島・志木那島の医師・五島健助(Dr.コトー)は、妊娠中の妻で看護師の彩佳、市役所職員の和田、島出身の看護師・西野那美と共に診療所を切り盛りしている。 そこへ新米医師・織田判斗が、研修のためにやって来た…。 人気テレビドラマ劇場版。 ≪人を救って人に救われて、そして、ここに生きている。≫

  • 2022/12/28(水)01:22:56 |
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