『ワース 命の値段』トーホーシネマズ錦糸町オリナス6
- Date
- 2023/02/25/Sat 09:05
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
◆『ワース 命の値段』トーホーシネマズ錦糸町オリナス6

▲マイケル・キートン、まん画太郎先生のマンガのキャラっぽい。
五つ星評価で【★★★マイケル・キートンも被害者遺族もどちらも正しい、という事がいかんせん伝わってこない】
そもそもポスターのメインコピーが9・11テロ犠牲者の命をドル換算した男がいたと主人公に否定的である。にもかかわらずサブコピーは被害者遺族7000人を救うため闘った弁護士の感動の実話と主人公を持ち上げている。これでは奴はゲス野郎だが、奴のおかげでたくさんの人が助かった、みたいな印象を与えかねない(決してそうではない)。
現実問題としてマイケル・キートンの役目は被害者個人に妥当な補償金を払う事であり、それぞれの個別の事情に人として寄り添う事ではない。いや、そうではないのか。映画内でスタンリー・トウッチ演じるマイケル・キートン否定派が、どんな理由でキートンを否定してるのかが曖昧で明確にならない。だから、指摘を受けた後、必要以上にキートンが人情派のように動き回っている印象が強い。オペラ会場でスタンリー・トウッチにダメ出しされた後、キートンが何をどう変えたかが明確にならない。この「ゴネる」側が何をゴネているか分からない点がただただキートンの消耗として結果に出てくるので、キートンが有能に見えない。
逆に美味しいのがスタンリー・トウッチで、キートンが「静」で「守り」なら、トウッチは「動」で「攻め」。信じる「正義」と行動が一致しているので見ていて気持ちがいい。トウッチはずっと禿だと思っていたが、キートンと区別する為か、毛が生えている。本当は禿じゃないのか、今回がヅラなのか?
インド女子のシュノリ・ラマナタンがいい人そうで、いいキャスティング。
主演のマイケル・キートンに付いて触れてなかった。うっかり。うっかり。今回はプロデューサー兼任。という事は主役として好き勝手やれる位置にいて、どうにも一筋縄ではいかない好かれないハゲオヤジを演じててステキ。だって、あんなに負け犬然として描く必要はない。妙に冴えないし、皆から軽んじられる。ぜいぜい言いながらプロジェクトを完遂させた。でも、冒頭で自分が皆から疎まれる事は予想している。そして、こんな仕事、立候補しなければいけない理由は彼には何一つないのだ。強いてあげるなら、これは彼が得意な仕事であり、他の誰もがやりたがらない汚れ仕事だから。しかも、仕事からあれだけのダメージを食らいながら、これは金銭的には彼に何も与えない無償の仕事なのだ。強烈な演技である。こんなん物凄い事をやり遂げて、誰よりも褒めたたえられるべき人物を演じながら、決してそうには見せない。そこがマイケル・キートンとても食えなくて面白いと思う。半面、スカっとしねーなーとも思うけど。
【銭】
トーホーシネマズの会員ポイント6ポイントを使って無料で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・ワース 命の値段@映画.com

▲マイケル・キートン、まん画太郎先生のマンガのキャラっぽい。
五つ星評価で【★★★マイケル・キートンも被害者遺族もどちらも正しい、という事がいかんせん伝わってこない】
そもそもポスターのメインコピーが9・11テロ犠牲者の命をドル換算した男がいたと主人公に否定的である。にもかかわらずサブコピーは被害者遺族7000人を救うため闘った弁護士の感動の実話と主人公を持ち上げている。これでは奴はゲス野郎だが、奴のおかげでたくさんの人が助かった、みたいな印象を与えかねない(決してそうではない)。
現実問題としてマイケル・キートンの役目は被害者個人に妥当な補償金を払う事であり、それぞれの個別の事情に人として寄り添う事ではない。いや、そうではないのか。映画内でスタンリー・トウッチ演じるマイケル・キートン否定派が、どんな理由でキートンを否定してるのかが曖昧で明確にならない。だから、指摘を受けた後、必要以上にキートンが人情派のように動き回っている印象が強い。オペラ会場でスタンリー・トウッチにダメ出しされた後、キートンが何をどう変えたかが明確にならない。この「ゴネる」側が何をゴネているか分からない点がただただキートンの消耗として結果に出てくるので、キートンが有能に見えない。
逆に美味しいのがスタンリー・トウッチで、キートンが「静」で「守り」なら、トウッチは「動」で「攻め」。信じる「正義」と行動が一致しているので見ていて気持ちがいい。トウッチはずっと禿だと思っていたが、キートンと区別する為か、毛が生えている。本当は禿じゃないのか、今回がヅラなのか?
インド女子のシュノリ・ラマナタンがいい人そうで、いいキャスティング。
主演のマイケル・キートンに付いて触れてなかった。うっかり。うっかり。今回はプロデューサー兼任。という事は主役として好き勝手やれる位置にいて、どうにも一筋縄ではいかない好かれないハゲオヤジを演じててステキ。だって、あんなに負け犬然として描く必要はない。妙に冴えないし、皆から軽んじられる。ぜいぜい言いながらプロジェクトを完遂させた。でも、冒頭で自分が皆から疎まれる事は予想している。そして、こんな仕事、立候補しなければいけない理由は彼には何一つないのだ。強いてあげるなら、これは彼が得意な仕事であり、他の誰もがやりたがらない汚れ仕事だから。しかも、仕事からあれだけのダメージを食らいながら、これは金銭的には彼に何も与えない無償の仕事なのだ。強烈な演技である。こんなん物凄い事をやり遂げて、誰よりも褒めたたえられるべき人物を演じながら、決してそうには見せない。そこがマイケル・キートンとても食えなくて面白いと思う。半面、スカっとしねーなーとも思うけど。
【銭】
トーホーシネマズの会員ポイント6ポイントを使って無料で鑑賞。
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