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『こんにちは、母さん』丸の内ピカデリー2

◆『こんにちは、母さん』丸の内ピカデリー2

▲息子50、母78、孫24。

五つ星評価で【★★★退屈はしないが、だからと言って絶好調とも言いかねる。】
吉永小百合の映画は何となく見る。吉永小百合に劣情を抱いたりしてる訳ではない。私は、この「吉永小百合」という日本映画黄金期に絶世の人気を博した、いわば「伝説」を現代の演出家がどのように扱うかに興味があるのだ。『北の桜守(2017)』『北のカナリアたち(2012)』で、未だにセックスシンボルのように扱われる忖度には大いに笑わせてもらった。それ以降、流石に「セックスシンボル」みたいな扱いをあからさまに出しはしないが、年齢に関しては「主婦層」という扱いで、78歳の実年齢から20年くらい若い役を与えられている。セックスはもう卒業したが、子供はもうそこそこ大きくなっている。
さて、今回はけっこう大きな孫がいる役。それでもまだ10年くらい若いかもしれない。吉永小百合は健康だけど、人によっては介護をする側ではなく、受ける側である。演出は吉永小百合より年上の山田洋次92歳なので、監督と役者のヒエラルキー構造としては捻じれがなくて安心だ。山田洋次も又、介護をする側ではなく、受ける側バッチリである。お疲れ様である。
ちなみに大泉洋は50歳、永野芽郁は24歳。
28歳で足袋屋の旦那に嫁入りして大泉洋を産んだというのは、時代設定の上では晩婚だろう。やはり10年若い役なのだ。でもまあ、それくらいの詰め方なら、そんなに違和感がない。

大泉洋と山田洋次の相性はとてもよかった。渥美清同様その人独自のぬぐい切れない「おかしみ」みたいなのが漏れ出てくる役者と山田洋次は似合う。渥美清はイナセだけど恋に臆病なガキ大将、大泉洋は平均的なダメ男なんだけどダメさがチャーミング。個性は違うから「寅さん」ではないのだろうけど、双方に得があるから何本か撮ってもらいたい。

でも、この映画で一番目を引いたのがホームレスで孤独に一人生きる田中泯。原作では戦後の悲劇を背負う重要な役らしい。映画化企画から20年掛かってしまった為、「戦後・戦中の父性」を引きずる人間が登場する意味が限りなく失われてしまったらしい。だから、あまり話の骨子には絡まない。致し方ないが、勿体ない話だ。確かに、いまだに親と言うより子である大泉洋、ビジネス神父の寺尾聡とは対極にいる。彼だけタッチが違うから、彼があの世界にいるのはギリギリだ。無理なパランスをどうにかこうにかした山田洋次えらい。

永野芽郁は原作にいないらしい。外観は今時のギャルだが、遊んでいるように見えて実は思った以上にシッカリしている。1970年代のフーテンみたいな、桃井かおりもどきである。私自身が若者やらギャルやらと接点がないけど、そういうのは山田洋次の考える孫の理想であって、今の女子供ではないと思う。永野芽郁いい子だから山田洋次が言う通りに演じてるのだと思うけど。

YOUが全然YOUのままだけど、気にならず。大泉洋ともども山田組に最初からいるように溶け込んでいる。

会社がね、いったい何をやってるのか。真剣に働いてる風に全く見えない。首切りが仕事オンリーになってしまった人事部長の大泉洋には同情しなくもないが、「煎餅は裏切らないから」という煎餅店への憧れは煎餅店を維持する事が如何に困難であるか等をザックリ省略してて、それは大会社にいるが故の傲慢だろう。そんな大会社にいる加藤ローサもあまり仕事してる風には見えない。加藤ローサは加藤ローサであるだけで、いい人ではあるんだろうけど。きちっとお金を貰うに足る労働をやっているように見える人が田中泯しかいない。

見終わって何が言いたかったのかなあ。「つらくてもみんな仲良く人間らしく生きていけ」? だったら吉永小百合は寺尾聡を追って行ってもいいじゃん。大泉洋はルンバと仲良くしてればよかろう。

「スーラータンメン」を出したくてしょうがなかったのか? 妙にスーラータンメン推し。


【銭】
900円で常設ダフ屋でムビチケを買い、ネット予約したら日付を間違えてバッティングしてしまい、間違えた自分が退出。それは仕方ない。間違えて買った日は普通に出勤日だったので無駄にして、別の日に松竹会員カードの6回分有料入場ポイントを使って無料で見た。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
こんにちは、母さん@映画.com
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こんにちは、母さん

神崎昭夫は、大手企業の人事部長として日々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題や大学生になった娘・舞との関係に頭を悩ませている。 久しぶりに東京下町の実家を訪れると、母・福江の様子が、どうもおかしい。 艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活し、恋愛までしているようなのだ…。 ヒューマンドラマ。 ≪あなたは、ほんとうに母さんで、ときどき、ほんとうに女の人だ。≫

コメント

非公開コメント

サユリストではないけど小百合さんの映画は外せないふじき78さん
タモリさんみたいに素直になればいいのに

Re: タイトルなし

こんちは、カシス☆さん。

> サユリストではないけど小百合さんの映画は外せないふじき78さん
> タモリさんみたいに素直になればいいのに

物心ついた頃には、吉永小百合さんはストライクゾーンはみ出してたんだから、そこは勘弁してほしい。
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fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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