「NHKが『犬神家の一族』をドラマ化するらしいで」
「スケキヨの奴ですね」
「主役は吉岡秀隆」
「えっ、吉岡秀隆がスケキヨ!」
「なんでやねん。面つけた金田一なんて斬新すぎるわ」
「全員、お面付ければいいと思うんですよ」
「こわいわそんなん」
「時節柄、全員マスク付けたいところじゃないですか」
「いや、舞台を現代に置き換えたりはしないやろ。スケキヨがウクライナ戦線から帰ってきたりするのもしんどいで」
「そうですね、いっそ舞台を未来に置き換えてドラえもんを出してジュニア層にアピール」
「TV局が違うからそれはないだろ」
「ああ、それで脚本に小林靖子を起用したんだ。出ますね進撃の巨人」
「どんな犬神家だよ。あんな巨人ばかりの世界で人の一人や二人死んでも話題にならへんやないけ」
「大竹しのぶさんあたり、のりのりで巨人とかやってくれそう」
「大竹しのぶに嚙み砕かれる古川琴音はちょっと見たいビジュアルではあるな。だがまあ、時代背景は第二次世界大戦終戦直後、場所は岡山で、そこは固定とちゃう」
「しかし、小林靖子を起用したからにはあっと驚くアイデアが付け足されると思っていいのでは? 戦中に財を成したと言われる犬神製薬、過去作では軍部への阿片供与が疑われていたが、今作では軍部の要請で軍用巨人の研究に勤しんでいたとか」
「作品の各所に巨人が映り込んでたら怖いな」
「そしてスケキヨは仮面の男な訳ですが、仮面と言えば着脱するとキックとかで強烈な殺傷力を身に着けられるとかにしたい」
「軍用バッタ男!」
「軍閥が幾つかあって、犬神製薬の逆張り側の軍閥に、佐清が無理やり拉致されて改造された後、南方戦線に投入される。南方戦線は補給線を維持しえず何割もの餓死者を出した戦地。そこでは遂に、『猿』と称する共食いまで発生してしまう」
「アマゾンズに繋がりよった。しかし、そんなアクの強い登場人物だと金田一耕助が霞んでしまうわ」
「そこで小林靖子の最近の功績を利用する。金田一耕助はスタンド使い」
「おいおい」
「スタンド使いジョースター家の最大の敵と言えば吸血鬼ディオ・ブランドー。『鬼』です。岡山と言えば桃太郎の源流だから、鬼の一つや二つ居てもおかしくはない」
「おかしくないって、ああた」
「そして、犬神家を影から支えてきた雉神家、猿神家の暗躍により、遂に最終決戦が!」
「もう何と何、どことどこが対立してるのか、よう分からん」
「そもそも猿、犬、雉を従える桃太郎の『桃』はイザナギが地獄から追いかけてくるイザナミを桃で追い払った事による。だから、とりあえず鬼はそのイメージを踏襲できる大竹しのぶで。その鬼と対立する力を秘めるスタンド使いの家系の末裔が金田一耕助、桃の呼吸で鬼を滅する」
「小林靖子は鬼滅書いてないで。逸脱しすぎやろ」
チャンチャン
※ 仮面ライダーアマゾンズ、進撃の巨人、JOJOの奇妙な冒険 まで繋げたところで破綻した。まあでも、猿神家と雉神家には頑張ってもらいたいもんです。地を走る犬神家、大地を轟かす猿神家、大空を飛ぶ雉神家、一瞬ゲッターロボっぽいけど、実はこの組み合わせはバビル二世。東北にキリストの墓があるのだから、岡山にバビルの墓があってもいいだろ。何言ってるんだ、俺。
なんつか、すごくくだらない事だとスラスラ書ける俺。
◆『アントマン&ワスプ クアントマニア』ユナイテッドシネマ豊洲1◆『アントマン&ワスプ クアントマニア』109シネマズ木場6
▲キャシーが可愛くてたまらん。
五つ星評価で【★★,★★キャシーは可愛い。だが。】
「あれ、これ、面白そーだったのに予想外に楽しめなかった。これは映画じゃなくって俺のせい? よし、もう一度確認しよう。ゲー、つまらんじゃん」という地獄の様な巡礼を経て「さほど面白くない」という結果を得た。長い道のりであった。長い道のりの割には得る物が少なかった。キショー。
まあ、アントマン=ポール・ラッドがいい奴なんで多少付き合う分には悪くない。それと娘のキャシーが大きくなって、ティーン・エージャーな感じが親目線的にグッと来る。「恋人っぽく」以上に「娘っぽく」可愛い。自覚してないだけで「孫っぽく」可愛いのかもしれん。演じるキャスリン・ニュートンがいい具合に胸がないのが、悩んでいそうで、そういうのが逆にそそる。父にも乳にもなれないけど、揉んであげて成長を助けてあげたい。ちょっと
『舞いあがれ!』の福原遥に似てる。揉むのは福原遥でもいい。下ネタ的な意味合いで舞い上がらせたい。
アントマンにかかわる博士マイケル・ダグラスも圧が強いオーラを放って、マッド・サイエンティストを好演している。タレントとしてこういうオーラの使い方があるというのはとてもおもろい。その伴侶がミッシェル・ファイファー。そもそもこの人が話すべきことを話さずに過ごしていた事や、こと物語が深刻な様相を呈しても何ら事実を明らかにしようとしなかった事が問題を大きくした。はっきり言ってこの物語で誰か一人戦犯を上げろと言われたら彼女なのだが、美人なので悪く見えなかったりする。そこに一番の問題がある。ワスプはこないだどおり。
そいで確定戦犯はカーンのジョナサン・メジャーズ。映画内で大変恐れられており、不毛の地に帝国を築き、先住だったり流れ者だったりを迫害しているのだが、彼自身に何が出来て、何がそこまで彼を恐れさせるのかが全く伝わってこない。単にモサっとした黒人の兄ちゃんである。彼の部下の頭ライトの人々も、どんなんだかよう分からん。デザインいいのに残念。逆にカーンはデザイン上の仕上がりも悪い。アントマン一作目に出てた顔だけの人も、妙にニヤニヤして謎の「ハンプティダンプティ感」が強かった。別にそれはいらんかった。強そうに見えなくて本当に強くないというのは何だかなあ。
今回ないのだが、アントマンが蟻に乗っかって、ウォーみたいなの好き。あの勇ましいけど頭悪い感じの劇伴も好き。
帝国と反乱軍は
『スター・ウォーズ』的。その反乱軍の住人達は
『ストレンジ・ワールド』的。今、思いついたけどその辺マーヴェルも含めて全部ディズニー配下じゃん。ゲー。反乱軍のデカ女は
『太陽戦隊サンバルカン』のアマゾンキラー的。あくまで悪い意味でだ。おいおい。カーンもイナズマギンガーくらいの押しの強さが欲しかった。
「サンキュー・スパイダーマン」のコーヒーショップのボケ爺さん、あれはスタン・リー在命なら、彼に与えられたような役。

▲なんとはなしに右から、ワスプ、アントマン、カーン、ビル・マーレイ。
◆『ソー ラブ&サンダー』ユナイテッドシネマ豊洲10
▲身体冷やしそうなコス。
五つ星評価で【★★★ソーおじさんとチャンベール】
半年ほっぼらかしで、マーヴェル関係で引っ付けてレビュー。
ムキムキ筋肉雷神から、ロン毛ひげおじさんにキャラ変したソーさんが、相方のヴァルキリーとドツキ漫才しつつ、世界行脚。モトカノを仲間に引き入れてダチョウ倶楽部のようにボケ雷神二人を内包するトリオ編成に変わって、笑い負かさなければいけない審査員はチャンベール・クリス。もとい、クリスチャン・ベールの神殺しのゴア。こんな話でそんなに間違えてないと思う。でも、チャンベールの演技にゾクゾクしたのは覚えてる。金はあるんだろうから、どんどんいい役者使え。

▲『マグマ大使』と無関係な適役ゴア。見世物小屋にいそう。
【銭】『アントマン&ワスプ クアントマニア(1回目)』:ユナイテッドシネマ、会員ポイント2ポイント使って1000円で鑑賞。
『アントマン&ワスプ クアントマニア(2回目)』:109シネマメンバーズデー(火曜)で1200円で鑑賞。
『ソー ラブ&サンダー』:ユナイテッドシネマ、会員ポイント2ポイント使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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アントマン&ワスプ クアントマニア@映画.com・
ソー ラブ&サンダー@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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アントマン&ワスプ クアントマニア@或る日の出来事・
アントマン&ワスプ クアントマニア@徒然なるままに・
ソー ラブ&サンダー@或る日の出来事・
ソー ラブ&サンダー@徒然なるままに・
ソー ラブ&サンダー@SGA屋物語紹介所『アントマン&ワスプ クアントマニア』は敵が物足りなくて、『ソー ラブ&サンダー』は敵だけがズバ抜けてる。
◆『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』ユナイテッドシネマ豊洲1(ネタバレ)
▲あの伏線にはビックリ。
※ この記事はネタバレを含みます。五つ星評価で【★★★★★ドラえもん映画10年に一本の傑作。ちゃんと前半と繋がる伏線の回収が悪魔的だあああああああ。】
まず、普通に面白い。ドキドキワクワクの冒険劇である。
そして、見終わった後に思うのである。これは、子供が見る物語として意図的に悪役の「悪」を明確に打ち出しているが、その逆にドラえもんとのびたが悪役でもおかしくはない設計だな、と。悪役が悪である理由が極めて希薄ではないだろうか?
今回の悪役、三賢人、および、その背後にいるレイ博士が悪である理由は二つ。未知の光線を使い、他人の心を本人の許可なく支配しようとした事。そして、その支配を拡大しようとした事。他人の心を支配したり、逆らえないように服従させたりするのは「悪」である。では、世間一般の「社長」は「社員」にとって「悪」なのかと言うと、そういう場合がない訳でもないが、基本的にはそうではない。「社長」は役割として「社員」の「行動≒会社内人格におけるモラル」を「支配」し、雇用というルールを根拠に「服従」を強いる。「会社での社長」にかかわらず、通常の集団組織の「長」は組織に属する各個人を支配し、服従を強いる。服従を強いた上で、その服従以上の結果を出力する。それがおおむね集団の存在理由だ。なので、これらが「悪」にならない理由は一点のみ。服従させられる各個人の同意がなされているかどうか。映画内ではこの部分がレイ博士があたかも同意形成を得ず、裏からパラダピアの人間を服従させていたかのように、表現されていたが、実は曖昧である。と言うのは、パラダピアの人間にはちゃんと意思があり、その意思はジャイアン、スネ夫、しずかが土壇場でのび太支持に回ったように、自分の不利に対して抵抗できる強さを持っているからだ。催眠術で術者が被術者に対して「死ね」と言っても死なないくらいの抵抗力はありそうだ。物語の中ではおそらくレイ博士は従属する集団に対して同意形成を得ず、服従させていた。だから、レイ博士一人を「悪」として、パラダピアを悪の秘密基地として葬ってしまう事は正義側のタイムパトロールから言わせれば問題ないに違いない。今回、ドラえもんは物語をそういう形に仕上げてきた。
だが、例えば、レイ博士が「人を支配する光線」などを使わず、言葉でパラダピアの一市民になる勧誘をし、各個人がそれを受け入れていたとしたらどうだろう。パラダピアその物には「悪」の要素はないのだ。それでも、タイム・パトロールはパラダピアの存在を認めない可能性が強い。それは、パラダピアが科学技術の結晶であり、タイム・パトロールは今まで彼等を捕まえられなかった。そして、パラダピアが正しければ正しいほど既存社会の弱者を取り込んで拡大する可能性を持っている。そうすると、既存の宗教や国家と相反するような存在になる可能性が大きい。レイ博士は正しくなければ討伐対象となり、正しければ既存勢力を脅かす敵対勢力となりえるのだ。そして、大概の為政者は上手くいっている隣の緑の芝生に対して寛容な立場を保持しきれない。
物語の中では、のび太が他の三人よりも心の耐性が強かったので、レイ博士の光線が効かないとされていたが、実はのび太は発達障害で、あのカリキュラムでは効力を発揮しなかったのかもしれない。逆に他の三人はそれぞれの個性を捨てたなど悪しざまに言われていたが、彼らは他の誰よりも早く大人になったのかもしれない。エッヂを失い、殊更に鈍くなったように見えなくもない。でも、大人になるというのはそういう事だ。
みたいな事をつらつら考えてしまったのもまた、面白かった。
【銭】会員ポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)@映画.com
◆『恋はデジャ・ブ』目黒シネマ
▲アンディ・マクドウェルがとってもいい人で、人柄が可愛い。
五つ星評価で【★★★懐かしい】
1993年、カラー、101分、2回目、ハロルド・ライミス監督作品。
劇場に貼ってあった公開当時のポスターのカラーコピーにあったコピーが
「これが噂のタイム・ラビリンス・ムービー。 寝ても起きても明日にならない!同じ日を繰り返す時間の迷路にはまったおかげで、恋する君とはいつまでたっても初対面!」 なかなかまとまっている。今では時間が輪のように繰り返す「タイム・ループ・ムービー」という言葉の方が一般的だが、走りの映画だったので、まだ言葉がなかったのだな。
後年あとから作られた牧瀬里穂の
『ターン(2001)』とかも似た設定。これを時間という得体のしれない物から、人間の記憶システムに置き換えたのがドリュー・バリモアの
『50回目のファースト・キス(2004)』。だがしかし、それ以前にタイム・ループ設定の映画が実はある。
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984)』。恐るべしジャパニメーション。時間が意思とは別にリセットされてというのではないが、意中の彼女にモテる為に何度も過去の時間を試行錯誤する
『大あたりの季節(1970)』というマンガが
『ザ・クレーター』の一遍として描かれている。恐るべし手塚治虫。
ビル・マーレーはコメディアンとしてそんなに好みではない。芸風がいい人じゃないから(本当がどうとかは知らない)。俺、バカ真面目タイプなので、不真面目で世渡り上手なキャラは嫌いなのだ。その不真面目なビル・マーレーがいい人代表のアンディ・マクドウェルをコマそうとする話だが、不快感が頂点に達しないのは、映画内で箸にも棒にも掛からなかったほどのクズであるビル・マーレーが成長するからだ。あと、ビル・マーレー以上にウザいネッド(スティーヴン・トボロウスキー)という役が出てくるからでもある。極めて大人の寓話であり、何故、それでタイム・ループを抜け出せるのかの解説はない。
【銭】レイトショー別番組一本立て1200円で鑑賞。
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恋はデジャ・ブ@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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恋はデジャ・ブ@或る日の出来事
◆『湯道』新宿ピカデリー7
▲小日向文代に感情投入しまくり。
五つ星評価で【★★★TVっぽい。まあ、風呂は日常だからTVっぽいのが正解かもしれない】
惜しむらくも無くなっていくだろう銭湯と風呂の映画。銭湯、気持ちよさそうだが、昔のように人でいっぱいになるには何らかのやり方で家風呂を殲滅するしかない。家風呂税でも立てるか。しかし、一日500円を越える税金徴収は庶民にとっては厳しいな。
中心にいる三人、生田斗真、濱田岳、橋本環奈のバランスがいい。生田斗真なんてけっこうイヤなメンタルの役なのに、飄々としてて憎めない。濱田岳はいつも通り、生田斗真を許したいと許せないが拮抗するのを上手く演じてる。橋本環奈は普通にいい。決め顔が変顔だけの人ではない。まあでも、風呂の映画なんだからもうちょっとサービスはしてほしかった。そういうサービスが全くと言ってないだろうと分かっているのに見に来たのではあるが。
『時間ですよ』とか大らかだったよなあ。そら、風呂の映画だから乳首くらい映りますよって堂々と映していた。「おれおれ」って姿勢も変だが、一切映らないのも病的ではないか? いや、まあ、そこはそんなに大事ではないので、
『犬鳴村』に
『映画「犬鳴村」恐怖回避ばーじょん 劇場版』があるように
『映画「湯道」乳首露出ばーじょん 劇場版』があってもいい。という所で妥協しよう。話せるな、俺。
脱衣所での厚切りジェイソンの「おとーさん」って非常識すぎて好き。あれはないだろ。怒る浅野和之もチャーミング。
映画内で一番気持ちよさそうに風呂に入っていたのが、小日向文代。妻と娘に強く言えず、身体を折り曲げて入る風呂の切ないこと。その湯道師範代理の窪田正孝のバキバキ筋肉での公式演技の様な入浴もバカ真面目で面白い。あの風呂は入ると疲れそうだ。夏木マリの美しい老け方に感動を覚える。
ただ、人に迷惑をかけないなら風呂くらい好きに入らせてくれよとも思う。【銭】前回有料入場割引+ネット割引で1300円。
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湯道@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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湯道@ノルウェー暮らし・イン・原宿
◆『RRR』ユナイテッドシネマ豊洲3
▲火炎太鼓なビーム(左)と足でピアノを弾きそうなラーマ(右)。
五つ星評価で【★★★★「超」が付く。】
もう本当何やってるんかいなという相変わらずのインド映画。普通に喋ってるのに空気の圧が強い。映像や音が重低音で、朗々と歌い上げたりしないけど、空気感がオペラなのだと思う。こういう空気感をまとうとどんな非常識な事をやっても無敵。ダンスと肩車とか並の映画だったらチャンチャラおかしくって絵にならないけど、この映画では「よくやった。我々はずっとこれを待っていたのだ」と思わされてしまう。このビームとラーマなら
『アストロ球団』の球七と球八を違和感なく映像化できるだろう。
ちなみに、タイトルの「RRR」(読み:アール・アール・アール)は、「Rise(蜂起)」「Roar(咆哮)」「Revolt(反乱)」の頭文字に由来する、との事。バリバリ、コピペしたよ。更にちなんで、「Revolt(反乱)」は「暴動」とも訳せるので、日本語タイトルは「蜂咆暴(ほーう・ほーう・ぼーう)」でも良かったかもしれない。良くねえよ。
強烈だったのはイギリスくそ女。旦那もひどいが、為政者の嫁としてここまで悪辣に書かれた人間はいないのではないか。
捕まえてから計画に移すまでの期間が長かったので、動物愛護的にはどうかという気もする。充分なケアがあったとは思えない。お前の妹にするような仕打ちを動物にしてないと言い切れるか、ビーム!
ダンスや肩車が人気だが、ラーマが警察署の外にいるチンピラをたった一人で捕まえに暴徒いっぱいの外に行くシーンが、まだ映画の中での右も左も分からない中で圧倒されて、そこが一番好きかな。
周りからタイミング半年くらい遅れて見てるのは、見ればおそらく乗れる事は分かっているのだけど、物理的に長い映画を見に行く事そのものに抵抗があるのと、単に時間が合わない。長い映画は長いと言うだけで、時間を合わせるのが難しい。もう本当に勘弁してほしい。爺は短い映画が好きなのよ。【銭】会員ポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
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RRR@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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RRR@ノラネコの呑んで観るシネマ・
RRR@SGA屋物語紹介所
ヒューマントラストシネマ渋谷で5本。
◆『キラーカブトガニ』ヒューマントラストシネマ渋谷3
▲画像の上の白い線はデジカメのフォーカス・ポイント。
五つ星評価で【★★★★おまいらの努力に賛辞を贈りたい】
「~の予告編見た後だったら、別にルンバが人を襲ってもおかしく思わない筈」と呟いたら映画の公式アカウントに「いいね」された。
絵が安かったり、役者がしょぼかったりはする。でも、これ、素人みたいな人達が6年かけて作った映画らしい。プロが作ったなら「稚拙」と言わないといかんレベルだが、素人が作ったのなら、これは「称賛」に価する。特撮や怪獣映画は本来、素人が手を出せるジャンルではないのだ。それを素人と気づかせん映画に仕上げたのが偉い。そして、面白いのである。凄い。もう、絵が安いとかは無視してもいい。ただ、カブトガニの鳴き声は、ちょっとムカムカするからできればどうにかして欲しかった。ああいうのが好きそうな人もいそうだけど。
主人公が車椅子の少年って珍しい。線が細いトビー・マグワイアみたい。
あと、主人公の同級生の足りない奴がイライラもさせられるがコメディー・パートとしていい味出してる。
「人喰いカブトガニの全裸美女踊り喰い」って、コピーはぎりアウトでは?
◆『暗殺』ヒューマントラストシネマ渋谷2
▲こーゆー風俗があったら行く。
五つ星評価で【★★★姉ちゃん達の個性が薄い】
「未体験ゾーンの映画たち2023」上映作品。上映中止になった
『女侠客』の代換作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)
何が正義だか分からんまんま話がどんどん進む。むちゃくちゃ間合いが長いアクションは魅力。謎機械によって選ばれた悪人(の蕾)を暗殺しに行く女性だけの暗殺組織があり、ある日、組織内部の者の名前が暗殺対象に選ばれてしまう。そこから始まる逃避と追跡。逃げるも女、追うも女。だが、どっちもAKBの女の子みたいに容貌に問題はないが、強烈な個性に欠ける。こういうのは個性を衣装なり、色なり、演技なりで、後から付け足さないといかん。と言うか、年を取って接点のなくなった若い女性の顔の識別能力が落ちてるのかもしれん。そんなん可哀想、俺。
売りは暗殺者のアクション。暗殺に使う武器が刀二本をチェーンで結んだ物や、投げナイフなど、むちゃくちゃ大きな間合い(長い間合いとは言わんよな)が必要な物ばかり。自然、カメラは全体を捉える為に下がり、戦ってる者の全身を映す。アクションが分かりやすく見えるのでストレスがない。反面、撮影に凄く広い場所が要求されるので、日本ではこういうの撮影できなそう。単純に体育館とか一つ借りて、全てグリーナシートで覆えばいいのか。幻術とか見せ方がうまい。
謎機械が暗殺対象の名前しか出さない。せめてどの地方かぐらいは出さんと同姓同名被害がひどい筈。
◆『ベニー・ラブズ・ユー』ヒューマントラストシネマ渋谷2
▲赤いのがベニー。
五つ星評価で【★★★★ベニー可愛い】
「未体験ゾーンの映画たち2023」上映作品。
捨てようとしたオモチャに殺される系ホラー。
主人公の男が普通にイヤなオタクで、そのオタクを虐める周囲ももちろん好感が持てない。主人公の隙間を埋めるべく出てくる女性もそんなに魅力を感じない。ただただただただもう、ベニーが可愛い。後半の盛り上がりはかなり好き。
◆『DAGON ダゴン』ヒューマントラストシネマ渋谷3
▲綺麗どころ。
五つ星評価で【★★いや、そんなんでもないでしょ】
「是空オルタナティブ・ムービーコレクション映画祭」上映作品。
2001年製作、日本未公開、98分。
「ダゴン色っぽいね」
「それは間違えた工藤静香」
主人公の野郎は冴えない青二才。キャスティング・ディレクターの女の趣味はよい。宗教がらみの脚本はなんだかなー。一瞬しか目に映らないダゴン様のデザインは良い。
◆『突撃!隣のUFO』ヒューマントラストシネマ渋谷1
▲濱田くん、こんな仕事に溺れてはいかん。
五つ星評価で【★★あれ】
場内暗くなってからの記憶がほぼないのはアブダクティか何かされたのかもしれない。ヨネスケ氏の挙動が私の知る流暢に喋る男ではなかったので、氏がアンドロメダ界隈の宇宙人に精神を乗っ取られ強制的に何か喋らされたりしてた事も考えられる。
【銭】『キラーカブトガニ』:テアトル会員割引+曜日割引1100円。
『暗殺』:未体験2023+テアトル水曜割引1200円。
『ベニー・ラブズ・ユー』:未体験2023+テアトル会員割引+曜日割引1100円。
『DAGON ダゴン』:テアトル水曜サービスデー1200円。
『突撃!隣のUFO』:テアトル会員割引1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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キラーカブトガニ@映画.com・
暗殺@映画.com・
ベニー・ラブズ・ユー@映画.com・
DAGON ダゴン@映画.com・
突撃!隣のUFO@映画.com
◆『ワース 命の値段』トーホーシネマズ錦糸町オリナス6
▲マイケル・キートン、まん画太郎先生のマンガのキャラっぽい。
五つ星評価で【★★★マイケル・キートンも被害者遺族もどちらも正しい、という事がいかんせん伝わってこない】
そもそもポスターのメインコピーが
9・11テロ犠牲者の命をドル換算した男がいたと主人公に否定的である。にもかかわらずサブコピーは
被害者遺族7000人を救うため闘った弁護士の感動の実話と主人公を持ち上げている。これでは奴はゲス野郎だが、奴のおかげでたくさんの人が助かった、みたいな印象を与えかねない(決してそうではない)。
現実問題としてマイケル・キートンの役目は被害者個人に妥当な補償金を払う事であり、それぞれの個別の事情に人として寄り添う事ではない。いや、そうではないのか。映画内でスタンリー・トウッチ演じるマイケル・キートン否定派が、どんな理由でキートンを否定してるのかが曖昧で明確にならない。だから、指摘を受けた後、必要以上にキートンが人情派のように動き回っている印象が強い。オペラ会場でスタンリー・トウッチにダメ出しされた後、キートンが何をどう変えたかが明確にならない。この「ゴネる」側が何をゴネているか分からない点がただただキートンの消耗として結果に出てくるので、キートンが有能に見えない。
逆に美味しいのがスタンリー・トウッチで、キートンが「静」で「守り」なら、トウッチは「動」で「攻め」。信じる「正義」と行動が一致しているので見ていて気持ちがいい。トウッチはずっと禿だと思っていたが、キートンと区別する為か、毛が生えている。本当は禿じゃないのか、今回がヅラなのか?
インド女子のシュノリ・ラマナタンがいい人そうで、いいキャスティング。
主演のマイケル・キートンに付いて触れてなかった。うっかり。うっかり。今回はプロデューサー兼任。という事は主役として好き勝手やれる位置にいて、どうにも一筋縄ではいかない好かれないハゲオヤジを演じててステキ。だって、あんなに負け犬然として描く必要はない。妙に冴えないし、皆から軽んじられる。ぜいぜい言いながらプロジェクトを完遂させた。でも、冒頭で自分が皆から疎まれる事は予想している。そして、こんな仕事、立候補しなければいけない理由は彼には何一つないのだ。強いてあげるなら、これは彼が得意な仕事であり、他の誰もがやりたがらない汚れ仕事だから。しかも、仕事からあれだけのダメージを食らいながら、これは金銭的には彼に何も与えない無償の仕事なのだ。強烈な演技である。こんなん物凄い事をやり遂げて、誰よりも褒めたたえられるべき人物を演じながら、決してそうには見せない。そこがマイケル・キートンとても食えなくて面白いと思う。半面、スカっとしねーなーとも思うけど。【銭】トーホーシネマズの会員ポイント6ポイントを使って無料で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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ワース 命の値段@映画.com
◆『日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』ユナイテッドシネマ豊洲5
▲ポスター。「日本列島生きもの超伝説」か「日本列島超生きもの伝説」かどっちか分からなかった。
五つ星評価で【★★写真集みたいなんは求めてない】
日本にいる動物達の生態を集めて映画にする。一つ一つの動物に割く時間は少なく、見た目重視でどんどん進んでいく。と言うか、極端に寒かったり、極端に暑かったり、あまり日本らしくない景色を映すなら、特に日本に限定しなくてもいいと思う。ていうか、ラストにいきなり出てくる日本の絶滅種を救いましょうというテーマは企画として最初からあったのだろうが、直接内容に即していないので、綺麗事として後付けで付けたように見えてしまった。
でも、『生きもの腸伝説』でずっと腸を見せられたり、『生もの超伝説』で血抜き工程を延々と見せられたりするよりは良かった。『生稲超伝説』で「麦わらでダンス」をずっとリピートしてほしいという気はちょっとはある。【銭】チケ屋で1000円のムビチケGET。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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日本列島生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!@徒然なるままに
◆『劇場版 センキョナンデス』ポレポレ東中野
▲なかよし。
五つ星評価で【★★★★四国新聞の下りが最高】
時事芸人・プチ鹿島とラッパー、ダースレイダーが配信するユーチューブ番組「ヒルカラナンデス(仮)」の劇場版というか出張版。この二人の事も配信番組も知らなかったが、これはおもろい。町の長屋の縁側で将棋などを打つ政治オタクの偏屈親父二人が実際の政治家をツマに選挙行脚するみたいな赴き。二人のキャラが立ってるし、単純に悪人には見えないので引き付けられる。ザックリ傍目から見て単純に悪人に見えるのは平井元大臣くらいだが、これは距離感がそうさせているのかもしれない。悪い評判があり、近づけない。近づかせてもらえない。対話ができない。対話がさせてもらえない。映画内で、隣の晩御飯よろしく、自民党、立憲民主党、共産党、維新、に二人は果敢に突撃する。政策や主張はバラバラだが、対話が成り立つ人間には悪意を感じづらい。そこに話を伝えようという熱意が見て取れるからだ。いい意味で「人間的」である。
この対話のテーブルに乗らない人間・組織はやはり正道を踏み外して見える。その最たるものが前半の目玉、四国新聞である。対話を避ける。避ける。避ける。対話できる正当性を持っていないからだ。この顛末(=四国新聞の決着)は是非、劇場で確認してほしい。
香川一区に乗り込んで、ものすごい速足のパレードを後追いしたり、維新の候補から自民党からも不出馬勧告があった事を引き出したり、二人が面白がっている様子を観客が共感できる。他のドキュメンタリーが出せなかった結果を出しているが、やり方はバラエティーに近い。きわめて隣の晩御飯的であり、きわめて早朝バズーカ的である。
後半、菅直人元総理の心地よい暴走の後、安倍元総理の事件で映画は悲鳴を上げる。この部分はバラエティーからドキュメンタリー(きわめて記録的な側面が強い)へシフトチェンジが行われる。だから、ダレる。
しかし、この映画の撮影時点では、立憲民主党と維新が接近するとは思えなかった。それは、票のために意見を捨てるという事でしかない。維新が幅を利かす社会はあかんだろう。
プチ鹿島氏はメガネの印象でおぎやはぎの矢作に似てると思い、意外とデコ広いからとさだまさしを連想し、最後はドランクドラゴンの鈴木拓っぽくも見えてきた。アカデミックにおかしく屑っぽいという意味では三氏のブレンドで間違えてないだろう。ダースレイダー氏は輪郭が梅宮辰也、中の顔が小学生の頃のソン・ガンホ、いやいや、似たり寄ったりがあまり見当たらない。顔が薄い。よく言えば塩顔だが、もっとぼやーんとしていて、薄口醬油顔か、塩よりはまろやか。あれ、梅宮辰夫の輪郭に永作博美なんかの整った女顔かもしれん。まあ、極めてどうでもいい話だが。二人とも低姿勢なのが偉い。低姿勢でグイグイ行くのがエゲツナイって
『ベニー・ラブズ・ユー』かよって映画の名前一つくらい入れておこう(低姿勢の意味が違う)。
二人は政治家とスリーショット写真をたびたび撮っているが、カメラの後ろから自家製だったり改造だったりの拳銃で政治家が狙われかねないと考えると、これからはちょっと怖いものがあるとか考えないといけないのか、それは考えすぎか。
平井元大臣の演説中の撮影を手で邪魔するオヤジと言うか爺。小川淳也のドキュメンタリーにも出てた人じゃないだろうか?
【銭】ポレポレ東中野5回券6000円のうち1回目使用。2023年2月19日購入。
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劇場版 センキョナンデス@映画.com
◆『シャイロックの子供たち』ユナイテッドシネマ豊洲4
▲上戸彩の女行員いいなあ。
五つ星評価で【★★★充て役者総動員、ただ山場の盛り上がりが今一つ】
役者陣がみな、それぞれの役に会う人を連れてきてる感じで外れがない。逆にいい意味で「この人をこんな役で起用するとは!」的な意外性は一つもなし。
頭と人柄の良さで銀行界を生き抜く阿部サダヲ。
正しいことを正しく行える上戸彩。あと、唇を噛みしめるのがムチャクチャ似合って良いわあ。
冷めた若手玉森裕太。
ミスターいい人佐藤隆太。
妖怪・柄本明&橋爪功。
口をモゴモゴさせて、心の中を見透かせない柳葉敏郎。
雑な人生木南晴夏。
パワハラ一筋30年、人生パワハラ一徹杉本哲太。
杉本哲太なんて映画の中でパワハラ以外、何もやってない点に凄さを感じる。
上戸彩がいると画面が締まる。
「身体検査だ。身体検査をしましょう」言えよ、脚本。
「北川くん(=上戸彩)、きみ、潔白ならこの場で脱ぎたまえ」このフレーズが絶対必要。
物語的に「ここが山場だ」という二回の契約シーンが毛ほどもドキドキせず。
【銭】金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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シャイロックの子供たち@映画.com
◆『#マンホール』トーホーシネマズ日比谷8
▲「まん」の「ホール」に落ちるなんて、男冥利に尽きると言えば尽きる。
※ ギリギリ、非ネタバレで書いてるけど、怪しい部分もあるので、潔癖な人は映画見てから読んでください。いいよ、そんなんと言う適当な人は前に進んでよし。五つ星評価で【★★★★こーゆーんでいいんよ】
あっという間にマンホールに落ちたのがとても印象良い。99分の映画でマンホール落ちるまで5分も掛かってないと言うのは称賛に値する。初週の週末はガラガラだという事だけど勿体ない。ちゃんと面白い。飽きないし、ずっと見てられる。ご都合主義だって、こういう映画でそういう事言うのは野暮だろう。逆に、こういう映画はご都合主義全開で作るものだ。
それにしても、とてもコスパがいい映画だ。基本、舞台はマンホール内部だけで、共演者の奈緒も、永山絢斗も出番は限定されている。けっこう有名な人が隠し玉に使われていて、それは驚いた。うざいⅤチューバーとして響の太ってる方が断然のウザい力を発揮しているが、隠し玉はこいつではない。ちなみに、エンドロールのキャスト表では「響」は一人だけだった。Ⅴチューバーカメラの人がいる筈なので(映ってはいない)、太ってない方も起用しても良かったのでは。いや、どうでもいい。
主役のジャニーズ・中島裕翔、彼だけはコスパ重視の中、出ずっぱりだが、それは致し方ない。中島裕翔、顔がシュンとしていて、あくが弱くて、人たらしとしてよさげに見えるという条件を満たしている。この映画の主役って、その辺に余ってるイケメン程度の人材がちょうどよい。どっちかと言うと強力にブレイクしてない感を持った人の方が役に合う。それでいて、ちゃんと演技ができればいう事なし。彼はなかなかちゃんとやってたと思う。
マンホールからあれが出てからが面白い。まさか、あんなマンホールからドラゴンが現れて異世界物に移行するとは(嘘)。
そして、謎の男の「誰にも見つけられなかった」ってのは刺さる。そいつに正義はないのだが、そいつが犯した悪事の結果、そいつが成功を手に入れ、面白おかしく暮らしている事は元々の世界の不完全さを浮き彫りにする。元の世界が不完全だから、チート能力を手に入れたら異世界では無双するのだ(嘘だけど本当)。
勤務先の不動産会社で営業成績ナンバーワンの川村俊介くんがマンホールから生還を果たしたら、結婚する筈だった妻が川村俊介くんともう結婚している事を知る。まさかそいつはマルチバースからやってきたピンクとグレーなもう一人の自分なのか、という続編もありかもしれない。もう「マンホール」ではないのかもしれないけど(嘘と本当半々)。
ああ、でも、あの謎の男のビジュアルが本当にそんな感じで見事だったなあ。
警察の人、冷静で良かった。公僕はかくありたい。
ネズミの死骸が
『ブラックナイトパレード』のネズミそっくりなのだけど、こっちのは死骸なので、生命オーラがない「物感覚」バッチリで非常にリアルに見えた。オモチャっぽいと言えば、ぽいんだけどね。
【銭】トーホーウェンズデーで1200円で鑑賞。
やばかったのは上映開始ピッタリに到着したのに、トーホーシネマズ日比谷の券売機6台中システムエラーで2台しか稼働してない。人が発券してる方に移ってもぎりに行ったら、もぎりも大行列。開始時間過ぎてる事を告げ、横入りして先に進めさせてもらう。席に行ったら人が荷物置いている。一回どけさせたが狭いから前の方の空き席に移動。GAGAのマーク映って間に合ったあ、という感じだった。
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◆『黄金の七人』シネリーブル池袋2
▲仲間も何もあったもんじゃないカップル。
五つ星評価で【★★★★まぎれもなくおもろい。決して古びない。】
特集「永遠女優 甦る青春のアイドルたち 1960-1970年代編」の1プログラム。
1965年、カラー、90分、多分2回目、マルコ・ヴィカリオ監督作品。
何か、ずりーな的な面白さ。明らかにルパン三世に影響を与えている。主人公が金に目がなく、正義なんてチャンチャラおかしくてもよしとする。そんな痛快娯楽作は公開当時、他になかったんじゃなかろうか? 但し、最後のところで自分の欲より仲間との信頼を取る部分だけが改変されたルパン三世って、とても良いコンテンツだ。話を黄金に戻して、あのアクション映画には決して起用しないような軽妙かつオシャレな音楽が最高だ。あれがあるから後世に映画が残ったのだろう。黄金を略奪するまでがベストで、その後の上手くいかなさ加減は芥川龍之介の『蜘蛛の糸』みたい。調子に乗ってはダメなんだよね。教授と6人の悪漢であり、黄金の7人の中に女は含まれていない。あのほぼほぼ露出狂で肉体に欲だけで出来てるみたいな女は私は苦手だ。6人の出身国を代表する悪漢が細かい見せ場はありながら、基本モブ扱いなのは心が痛む。
◆『続・黄金の七人 レインボー作戦』シネリーブル池袋2
▲ちょっと007味のある秘密兵器。
五つ星評価で【★★★ちょっと時事が入り込んで面倒】
特集「永遠女優 甦る青春のアイドルたち 1960-1970年代編」の1プログラム。
1966年、カラー、101分、初見、マルコ・ヴィカリオ監督作品。
黄金の七人+女のメンバーが国際紛争に巻き込まれて、各国の軍略を出し抜いて上前を撥ねるが、最後にはスタートラインに戻る。国際紛争はキューバ危機で、七人はキューバもどきの将軍を誘拐してミサイルの所在を白状させる西側諜報部の手助けをする。その中で、キューバもどきを支援するために何故か金塊を山ほど積んだ船でソ連がやってきて、七人はその船をシー・ジャックする。わざわざ盗まれるのが目的としか思えない金塊でいっぱいの船を出航させるソ連の気持ちがようわからん。相手がソ連なので、第二次大戦でひどい目にあったドイツ人が暴走する。一作目に比べると無駄な夾雑物がいろいろ混ざっている感じで、面白いけれどそこそこ疲れる。
【銭】テアトル会員割引各1100円。
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黄金の七人@映画.com・
続・黄金の七人 レインボー作戦@映画.com
◆『仕掛人・藤枝梅安』109シネマズ木場5
▲トヨエツ梅安。
五つ星評価で【★★★でも、私、緒形拳が好きなので】
ツイッターでの最初の感想(↓)
照明が赴き深く感じるが、単に光量が足りなくも感じる。メリハリが効いていない。情緒豊かなメロドラマとして仕上げたが仕掛人が正義の判断を握ってしまうのは危険でもある。撮影部・照明部が「いぶし銀の様な江戸」を撮ろうとしたのはよく分かるし、成功してるとも思うけど、室内セットのようにいつも暗いし、ハーフトーンでコントラスト弱めなので、目が慣れてしまった後半とか、画面が「いぶし銀」より「灰色」に見えがち。これはスクリーンを見てるからまだいいが、製作母体の「時代劇チャンネル」で放送し、モニター通すとかなり見辛いのではないか?
スチールとか見ると衣装がみなステキで上品。スクリーンだとそこまで気付かないが、貧乏人でもかなり上質な和服を着ている。まあ、そこはギリギリ、スタイリッシュで良しとすべきか。
音楽は川井憲次こう来たかという感じ。あー何か川井憲次っぽい。
白菜は明治以降の舶来品と言う蘊蓄を知ってたので、「江戸の鍋はあんななのね」と言うのを面白く見れた。練り物を撤廃したおでん鍋みたいなものか。
私は人殺しだけど日常生活では明朗快活な緒形拳の梅安が好きだが、トヨエツはトヨエツで問題ない。これは全体のトーンの問題だろう。逆に人殺しを主役に据えながら、ホームドラマのような明るいトーンで撮っていた
『必殺仕掛人』の世界観の方が普通じゃないのだろう。役者の中では、出てきた途端に「こいつは死んでいい、と言うより早く始末してしまえ」と思わされる六角精児が素晴らしかった。ちなみに、天海祐希の役を
『必殺仕掛人』「おんな殺し」で演じているのが加賀まりこ。役者陣はみな好演。穴がない。板尾創路のいつも通り変わらない顔もよかった。

▲六角精児の屑演技がたまらない。
原作がそうなってるのかもしれないが、後半、仕事人が自己の判断で金にならない殺人を「正義」のために犯してしまうのも気になった。ルールを順守するかどうかで「殺し屋」か「仕掛人」かが決まるのだと思う。
PS 梅安さんと彦次郎は仲良しなのだから、『RRR』のように二人でダンスを踊ったり、肩車して戦ってもらいたい。【銭】火曜メンバーズデーで109シネマは1200円。
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仕掛人・藤枝梅安@ノラネコの呑んで観るシネマ▼関連記事。
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仕掛人・藤枝梅安2@死屍累々映画日記・第二章
◆『バイオレント・ナイト』トーホーシネマズ新宿2
▲けっこう危険なクリスマス・オーナメントも多い。
五つ星評価で【★★★単純に普通に面白い】
『ダイ・ハード』的な悪役組織に立ち向かわされるのは一切チート能力のない中年のサンタ。こんなん考えるのサディストかよ。でも、弱音を吐きながら子供を見捨てられないサンタは応援せざるを得ない。人質内で明らかに人間としての質の差があるのに、いい人にも悪い人にも平等にゲスい悪役はなかなか多様性に適した人材じゃないかと思える。サンタの存在そのものが謎であったり、人質になる家族の富の根拠がボカされていたりするところが、リアリティーのサポートになっているかもしれない。
良い子の父ちゃん役ちょっとアンジャッシュ児嶋似。
PS 時期外れ公開はやはり勿体ない。まあ別にどんな時期に公開しようが今更、サンタの映画にお客が来るのかは疑問が残るところではあるが。同じサンタものである『ブラックナイトパレード』より確実に面白いのは確かなのだが、あれはパッケージが派手で、中身が石炭と言うメタ批判を映画自身で行った崇高な実験作じゃないかと今、思いついた。思い付きはしたが、福田雄一だから単につまらなかったという方がやはり本当だろう(上げて落としてしまった)。【銭】クレジットカードのポイント貯めてGETした無料券を使用。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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バイオレント・ナイト@映画.com
◆『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』ユナイテッドシネマ豊洲1
▲色味が暗いなあ。
五つ星評価で【★★★★ムチャクチャ痛快で爽快】
30分のテレビアニメ三つ集めて劇場公開しましたって、こんなん映画としておかしいと誰しもが思っている。思っているけど、愉快で痛快なのは、にも関わらず、みんなこのコンテンツが大好きでそれに吞み込まれてしまうという点だ。映画は物語が大事だったり、起承転結に乗っ取ってたり、ハリウッド映画みたいにこのタイミングで、この山場が来て、みたいな黄金律もあるけど、そういうの全部無視して、鬼殺隊と鬼の戦いの一進一退に目を奪われて、それだけで満足してしまう。アニメの力だなあ。こんなアニメが好きで映画の構成とか忘れてしまうなんて、おめえ、映画ファンとして、みっともねえ、みっともねえなあ。はい。俺はみっともなくていいです。しかし、長い話の末に小石を積むように成長してきた主人公が妓夫太郎(ぎゆうたろう)に「みっともない」とディスられるシーンはかなり心がやられた。堕姫に罵られるのならプレイで済むが、妓夫太郎のディスりはしんどい。堕姫に罵られながら、裏腹に優しく触られたりしたいなあ。まあでもしかし、遊郭編はTVで見てた時点でアクションシーンがキチガイ沙汰だとは思っていたが、劇場画面で見てもスクリーンの大きさに負けてなかったのが凄かった。そりゃあそんなの目を剥いて見てしまうだろう。
新作部分30分は恋柱・甘露寺蜜璃ちゃんがいっぱい出てるからそれでかなり満足なみっともない俺。
あと鋼鐵塚(はがねづか)さんがアレなのは村自体がアレなのね。笑い事じゃないけど笑える。
レビュー書く時に「ぎゆうたろう」は読めないし、「鋼鐵塚」は書けないし、「炭治郎」だって一発で出てくれないのでしんどい。
【銭】金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
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「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ@映画.com
◆『理大囲城』ポレポレ東中野
▲国家権力の見本市。
五つ星評価で【★★★怒号が怖い】
大学に閉じ込められたデモ参加者(当局側から見たテロリスト)、籠城戦に雪崩れ込むが、全員でそこからの脱出に挑む。そこで発せられる真実の怒号が怖い。国家権力は暴力を躊躇しない。そっと人員を忍び込ませて分断を謀る。ギリギリのところで社会性を守りつつ、皆が不幸になる流れを回避したいという、諦めにも似た咆哮の繰り返しが心を打つ。そこに百パーの自信はないが、こう進めるべきだという正しい信念が見え隠れするからだ。
【銭】映画ファン感謝デー料金1000円。
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理大囲城@映画.com
◆『金の国 水の国』トーホーシネマズ上野7
▲おままごと夫婦。
五つ星評価で【★★★★みんな善人でもよかろう】
賀来賢人演じるナランバヤルと浜辺美波演じるサーラが出会って、二人の付いた小さな嘘が対立する国の運命を大きく変えていく。それぞれの立場はあるが、単純に悪い奴はいない。みな、それぞれ自分の国の未来を憂いていて、その不安を解消するために他国と戦争をし、他国から奪ったもので自分たちが生き残る算段を立てる。そういった好戦派は不戦派からすれば「悪」だろうが、これはナランバヤル、サーヤ達が始めたプロジェクトと比べると現実的だ。戦争をすれば、被害者が一人も出ないという事はあり得ない。敵も味方も多くの死者が出るに違いない。だが、成功すれば極めて短期に問題が解決する。これは魅力がある。もう一つの案は長期プロジェクトなので、実現するまでに時間がかかる。その間に頓挫するかもしれないし、その間に今の問題が大きく解決せず不都合な状態が継続するのも事実だ。だが、それを解決するのに軍事力を使ってしまえば、ピリパッパやラスタマン三世はプーチンと同じ立場に堕ちる。
物語なので、嘘があってもいい。多分、戦争をしてしまう方が現実的な選択であり、理にかなった行動と言えよう。でも、物語だから理想を追求していい。嘘でいい。ああ、素敵な嘘だった。
ナランバヤルの世知には長けているが、姉貴の影響か、恋には疎いところ、サーヤのおっとりしたお嬢様っぷり、どっちも声はよかった。サーヤのお姉さんのとても美しい年増というビジュアルは凄い説得力。
面白かった。癒された。【銭】イベント割使用1200円。
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金の国 水の国@映画.com
◆『ノースマン 導かれし復讐者』トーホーシネマズシャンテ3
▲さながら北斗の拳の実写化のよう。
五つ星評価で【★★★音に浸る映画。まあでも長い。】
ツイッターでの最初の感想(↓)
モリコーネ見た後だから土俗的に豊潤でいかがわしい音楽が素晴らしくモリコーネかと思った(嘘)。ニコール・キッドマンがRRR的な意味で素晴らしいクソ女。興奮するとみんな大声で叫ぶのが分かりやすくて気持ちいい。北区の男。
「そいつ謝らないんだよ」
「ノーすまん」まあ、そんな感じ。
『ヴィンランド・サガ』に世界観が似てる。同じように北欧だし、延々と殺しあってるし、奴隷は虐げられてる。ただ、
『ヴィンランド・サガ』はもうちょっと現代的なメンタルに近く、屑は屑同士集まって酒場で飲んでたり、談笑してたり、笑いがある。それだけで、とても人間の居場所っぽい。多分、
『ヴィンランド・サガ』の世界は日本的で、塞いでる奴がいたら「どうしたんだ?」と聞いてやったりするだろう。
『ノースマン』の人間はもうちょっとほったらかしだ。塞いでる奴はそのまま個を維持させられ、会話は発生しない。雪国・北国では無駄なカロリー消費を防ぐが如く、寡黙である。別に
『ヴィンランド・サガ』をディスってる訳ではない。あれはあれで、ああいう文法が物語を語るのに似合っている。
ロバート・エガース監督には同じ文法で、寒い日本の
『雪女』や
『笠地蔵』を撮ってもらいたい。ビョークは再雇用してもよし。
【銭】イベント割使用1200円+トーホーシネマズ会員更新料300円。
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ノースマン 導かれし復讐者@ノラネコの吞んで観るシネマ
◆『モリコーネ 映画が恋した音楽家』トーホーシネマズシャンテ2
▲エクトプラズムだだ洩れのレオーネ(左)とブルトンみたいなネクタイのモリコーネ(右)。
五つ星評価で【★★★良い知識満載の映画。まあでも長い。】
ツイッターでの最初と二つ目の感想(↓)
モリコーネの人生をきちんと語るのに、この尺が必要なのは理解できるし、色々悩み多き人生だった事も分かった。でも長い。御大は気に入らなそうだけどマカロニ近辺が一番燃える。仕事を量産できる人はまあ大体天才。/モリコーネには何でも書けるけど手塚治虫のように中々自分自身を越えられないもどかしさも感じる。モリコーネのビジュアルが鬱病のサラリーマンみたい。モリコーネ自身は嫌がるだろうが極めてアドルフ・アイヒマン的である。何と言っても
『荒野の用心棒』のさすらいの口笛だから、もっとメタルバンドとかモンゴル人みたいな奇抜な人であってほしいという願望がきっと大衆側にあるのだ。モリコーネは極めてアカデミスト(学究肌)であり、音に関しては論理的に無敵のようなのだが、運命はクラシックとモリコーネとの間に若くして良好な関係を構築させえなかった。この辺が大いなる悲劇であるが、大衆芸術に関して言えば、大いなる僥倖であった。モリコーネ自身には大きなコンプレックスであり、クラシック側も大きな失点だったに違いない。
マカロニ全部引き受けて、年間20本映画音楽手掛けたみたいな話。二週間に一本というのはなるほど化け物だ。
アルジェント父ちゃんの言う「(アルジェント作品の音楽は)全部、同じ音楽だ」は正しい。
モリコーネに
『男はつらいよ』の劇伴付けてもらいたかったな。
【銭】イベント割使用1200円。
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モリコーネ 映画が恋した音楽家@ノラネコの吞んで観るシネマ・
モリコーネ 映画が恋した音楽家@徒然なるまま
◆『嘘八百 なにわ夢の陣』トーホーシネマズ日比谷10
▲絵になる二人。
五つ星評価で【★★★なかなか良い新年のにぎやかし。】
ツイッターでの最初の感想(↓)
回数が少なくて満席っぽい。おもろいのになあ。昼時間しかやってくれない映画はよう見れん。三巴の終盤はばたついてカタルシス低いけど、物の価格とは別に欲する人の元に品物が納まるのは初期のギャラリーフェイクを見るよう。シリーズ三作目。せっかくだから見逃したくないという客が集まってか、ジャニーズ安田君目当てか、ほぼ満席。大入りと言うより、もう少し回数増やさんかい。名人芸的に中井貴一と佐々木蔵之介がワチャワチャやってるの見てるだけで面白い。佐々木蔵之介サンダルにコートというカジュアルな服なのに堂々とゆっくり歩くとフォーマルに見えるのがかっけー。
コンゲーム(騙しあい)的には正贋不明瞭で、一番偉そうな悪い奴がギャフンと言わないので、収まりが悪い。ただ、佐々木蔵之介と安田章大の創作の熱気をマルチで見せるのは魅せられてかなりいい。
紙の坂田師匠が息子という形で酒井敏也に変わり、文字の木下ほうかは問題起した為に無条件に土平ドンペイに変更。役者が贋作になってはいかん。
中村ゆりがいやらしく年増になった広瀬すずみたいで個人的にはよかった。【銭】イベント割使用1200円。
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嘘八百 なにわ夢の陣@映画.com▼関連記事。
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嘘八百関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章
◆『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』ユナイテッドシネマ豊洲6
▲ドライビング・テクニックが人を語るという意味では『ザ・ドライバー』に似てるかもしれない。
五つ星評価で【★★★悪役が極悪で良い。】
そこまで残酷じゃなくていいだろって感じに悪役が全員人でなし。ニコニコ笑いながら子供に「きみ、私の顔を見ただろ。だから生きてはいれない」なんて言う。これは見てなくても、この事実を話して聞かされるだけでダメな奴だ。実はポカーンと映画を見ていたので、そもそも子供の親と、親を追い詰める男たちとどっちがどう悪なのかはよく分からなかった。ただ、追う側の行動が粗野で、振る舞いが「悪」としか言いようがなかったから、悪役として認識した。子供をいじめる奴は「悪」だろう。今まで、子供をいじめる側が正義だった映画はただ一本。
『オーメン』のみだ。
ドライブテクニックは見てて楽しい。あんなん出来ないけど、出来たら楽しそうだって事は分かる。
日本人と同じような血が流れてるので、みなどこか似たような顔なのも「公開そっくりさんを探せ」みたいでおもろい。
主人公ずっと宣材写真などを見つめていると、昔いたTバックならぬTフロント衣装を着こんだ三人組アイドル歌手ピンクサターンの一番可愛くない子に似てる気がする(そんなん気づくなよ)。
子供、小さいのに坂口健太郎っぽい。
主人公の上司は香川照之、同僚は八村塁。
悪役の№1は筋トレしまくりの風間俊介、№2はチョコレート・プラネットのソロリソロリ。
国家なんとか院のエキスパートは一切笑わない黒ずくめの横沢夏子。

▲ピンクサターン(笑) 似てるのは右の子。
タイトルダサい。特にサブタイトルがダサい。
【銭】イベント割使用1200円。
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パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女@映画.com▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
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パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女@ノルウェー暮らし・イン・原宿
ドキュメンタリー集めて7本。
◆『コペンハーゲンに山を』シアターイメージフォーラム1
▲良き景観。
五つ星評価で【★★景観はよいがドキュメンタリーとしてはつまらん】
誰もが寄りたがらないゴミ焼却処分場再開発で、山のような作りにして、スキーが出来るようにした、というデンマークの話。アイデア勝負と言うか、並外れた奇想で、それはとても良い。ゴミ焼却場兼観光地って他に類を見ないと思う。ただ、開発秘話ドキュメンタリーとしては、何か妙につまらない。幾つも問題が発生するのに関係者がボソボソ話してるうちに解決してしまう。又、設計を担当した建築家が妙にイヤな顔。焼却場コンペを仕切る市長もコンペの席で歌いだしてしまうなど、どこか「イヤな奴」なのだ。乗れなくって残念。
◆『チーム・ジンバブエのソムリエたち』ヒューマントラストシネマ有楽町2
▲鼻血を集めている訳ではない。
五つ星評価で【★★私は彼らの親戚ではないので】
見た直後に、この映画のソムリエ達に関心のある人なら楽しめるのではないかと思った。雪のないジャマイカの人々のボブスレーでの善戦を描く
『クール・ランニング』みたいに盛り上がるとは流石に思っていなかったが、各選手が持つ空気や背景が全く伝わってこない。文化的なマイノリティーが、それを克服して勝利を勝ち取るドラマはきちんと構築できれば面白くなるだろうが、その為にはその情念をドキュメンタリーなりのやり方で観客に提示する必要があるだろう。ソムリエの勝負が感覚的なもので観客に客観的に伝わらないので、競技シーンで観客を置いてけぼりになってしまうのもいかん。それを考えるともちろんドキュメンタリーではないという前提はあるにせよ、あんなに伝わらない弓という競技をビンビン伝えてくる
『ツルネ』の凄さよ。
◆『カンフースタントマン 龍虎武師』新宿武蔵野館2
▲さもはん。
五つ星評価で【前半★★★後半★★】
前半黄金期の景気のいい話は面白い。
一転後半、地道に「夢も希望もなく、毎日が綱渡り」みたいなのがつらい。
武術(と言うよりは体術)が身に付いているというのが前提条件なのだろうが、名人同士の語りの中では「一番、無茶をした人が最強」みたいに語られてしまうのは問題があると思う。それはおそらく「ブラック企業での社畜自慢」みたいな物だろうが、外部の者にはそれは伝わらない。
◆『教育と愛国』ヒューマントラストシネマ有楽町2
▲ライト弾圧。投書。
五つ星評価で【★★★★こわい】
自分達の国が過去に犯した鬼畜のような所業を隠して、日本人のやる事は全て「善行」にしたがってる人たちがいる。戦後ドイツと真逆なやり方だが、事あるごとに「あの殺人鬼の家の子」扱いされるのは、外交としてはやりづらいのかもしれん。ただ殴った方は忘れても、殴られた方はいつまでも覚えているのだから、こういう歴史の塗りつぶしは危うい。
事実に対する弾圧が行われている事は確かなのだが、それが実にライトに行われている様子が怖い。
◆『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』キネカ大森3
▲獅子舞ニューウェーブ。
五つ星評価で【★★★★るんるん】
怪獣・怪物好きには画面の端の方に、見切れる形であっても造形物がチラと映ってるだけでも楽しい。
『ジュラシック・パーク』の恐竜は全CGと思い込んでいたので、アニマトロクスみたいなのが嚙んでたと知るのはおもろい、楽しい。
◆『3年目のデビュー』ヒューマントラストシネマ渋谷2
▲巨大はないちもんめ(嘘)。
五つ星評価で【★★★★相変わらずブラック】
ツイッターでの最初の感想(↓)
ドラマチックな美談にしようと言う気はそれなりにあるに違いない。それでも強い武器を持たない彼女たちが戦って栄光を勝ち取る様子は泣ける。スカート姿よりモコモコ服が可愛い。ガールフレンド目線ではなく孫目線なのか。バリバリの武装歌唱集団「欅坂」のオマケに付けられた「ひらがな・けやき」。何が出来る訳でもないただ集まった女の子たちの集団。ある意味、それは最初のAKBに近い状態なのかもしれないが、「欅坂」と対比させるような構造で放置するのがエゲツナイ。秋元さんのところはお金が儲かるならどんな実験でもするので、今回も又、それがまんまと成功してしまった感じ。
♪3年目のデビューくらい大目に見ろよ
♬開き直るその態度が気に食わないのよー。
◆『希望と絶望 その涙を誰も知らない』シネ・リーブル池袋2
▲「まれ のぞみ」と「たえ のぞみ」に非ず。
五つ星評価で【★★想定内ブラック】
「ひらがなけやき」→「日向坂」のドキュメンタリー第二弾。見たというくらいしか記憶してない。
【銭】『コペンハーゲンに山を』:上映時間が51分なので番組価格として1000円。
『チーム・ジンバブエのソムリエたち』:テアトル会員割引1300円。
『カンフースタントマン』:武蔵野興業水曜1100円均一。
『教育と愛国』:テアトル会員割引1300円。
『クリーチャー・デザイナーズ』:テアトル会員割引+曜日割引1100円。
『3年目のデビュー』:テアトル会員割引+曜日割引1100円。
『希望と絶望』:テアトル更新チケットで1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
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チーム・ジンバブエのソムリエたち@映画.com・
カンフースタントマン@映画.com・
教育と愛国@映画.com・
クリーチャー・デザイナーズ@映画.com・
3年目のデビュー@映画.com・
希望と絶望@映画.com『コペンハーゲンに山を』、@映画.comに作品情報なし。
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カンフースタントマン@徒然なるままに・
カンフースタントマン@ここなつ映画レビュー・
教育と愛国@徒然なるままに相手先ブログがバンバンTBなくしてる。
◆『グッドバイ、バッドマガジンズ』テアトル新宿
▲主要登場人物
五つ星評価で【★★★★沈みゆく船に思いを馳せる】
コンビニに置いてあったエロDVDのオマケのような雑誌の編集部に配属された女子が激務の中、立派なエロ本編集者に成長するが、時遅く、オリンピックで来日する外国人から日本の恥部を隠す目的で行われたコンビニからの悪書追放運動や、販売不振から業界を追われてしまう。でも、どっこい生きてる、みたいな映画。社畜は好きよ。社畜だったからね。エロ本を作る事はなかったが、まだAVビデオがない頃からのエロ本のファンだったし、同じくAVにほぼ滅ぼされた成人映画にもかなりお世話になったのだ。はっきり言ってイカレテいるエロ本は一般雑誌より面白い。
風俗嬢なんかもそうだが、社会観点からみると大変ヒエラルキーが低く、屑のような仕事に思われながらも、誰かの小さな小さな幸せを守るために一生懸命働いている人は絵になる。求めてそこに収まったかどうかは別として、みな優しい。そういう優しさの中に身を置く102分。
『コワすぎ!』の大迫茂生こと工藤ディレクターがちょい役で出ていて「おおお!」と思った。
【銭】テアトルの会員権を使って1300円。
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グッドバイ、バッドマガジンズ@映画.com
◆『妖怪ウォッチ♪ ジバニャンvsコマさん もんげー大決戦だニャン』ユナイテッドシネマ豊洲3(ネタバレ)
▲ポスター。
※ 記事内にネタバレ内容を含みます。五つ星評価で【★★私の脳が幼児に劣っているならゴメン】
本編入る前の冒頭に、A絵がB絵に3カ所変わっていくけどどこが変わったでしょうか? というパズル問題が出る。面白い。難しい。太刀打ちできない。情けない。
町からジバニャンの愛するチョコボー、コマさんの愛するソフトクリームがなくなり、再び食べられるようになるには二大妖怪が互いを倒さなくてはいけないと伝えられ、ジバニャンとコマさんは戦いに身を任す。
実はこれは、①閻魔大王が虫歯になる。②ウイスパーがスマホ操作を誤り、町からチョコボー、ソフトクリームを消してしまう。③町からチョコボー、ソフトクリームがなくなった事を知ったゲスト妖怪がジバニャンとコマさんを戦わせている。その理由は閻魔様に媚びるため。
という風に事件が解決されるのだが、③のジバニャンとコマさんを何故戦わせたかが全く分からない。閻魔様の憂さ晴らしのため、妖怪が甘いものを食べられなくなるのはまあ分かる。でも、わざわざ戦わせる理由はないんじゃないの? まあ、どうでもいいって言えば、どうでもいいんですけど。お分かりの人がいたら是非教えてください。
巨大化したジバニャンがウルトラセブン色、コマさんがウルトラマン色に微妙に色変されてます。
【銭】尺が45分と短いので番組特別価格で1000円。
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妖怪ウォッチ♪ ジバニャンvsコマさん もんげー大決戦だニャン@映画.com▼関連記事。
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妖怪ウォッチ関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章
◆『編集霊 deleted』シネマート新宿2
▲ポスター。造形はこんなんじゃすまない。
五つ星評価で【★★★★★千葉誠治の新たなる傑作】
ツイッターでの最初の感想(↓)
千葉誠治が作った新しいフォーマットの傑作ホラー。相手が何を求めているのかが類推しづらくて怖い。高音も低音も耳障りな不協和音もともかくデカい音で轟かせるシネマートさん素敵。造形が優秀で凄い。一週限定公開だからすぐ見ろ。「相手が何を求めているのかが類推しづらくて怖い。」とは書いたものの、チラシのメインコピーに
「そのカット削ったら、殺す!」と書いてあるし、タイトルが
『編集霊』だから、そういう事である。でも、それってちょっと規格外だし、なんで、そこに「怨念」が籠るのかはストレートに伝わってこないからやはり妙な常軌の逸しを感じる。人は根本的に意思の疎通を謀れないものを恐れる。
そして、シネマートさんのヤケクソな轟音がステキ。耳障りが痛いレベルで悪い。
特殊メイクが
『血を吸う粘土』監督の梅沢壮一。これがちょっと恐るべき出来。ギミック的に何パターンかあるが、メインのそれは、「怖く、醜く、切なく、優しい」という感情の坩堝みたいな壮絶な出来だ。いい仕事である。
メインの役者4人ともよし。プロデューサーや監督、助監督、なども業界にいそうな有象無象感がよくできている。
あと、監督役が「何で洞窟でのロケやめてしまったのか」を尋ねられ、「今更、洞窟でもねえだろ」と返すが、ここで使われてる洞窟は千葉監督が忍者映画を作る際にさんざん使い尽くして来たところ。最近の千葉監督の出世作は「就活物」なので、ごくごく普通に洞窟を使ったりはしないだろう。千葉監督の実話だったりして。
【銭】テアトル会員割引+曜日割引で1100円。
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編集霊 deleted@映画.com
◆『映画 イチケイのカラス』ユナイテッドシネマ豊洲8
▲配役の配置になかなか味がある。
五つ星評価で【★★★★黒木華が地団駄踏むのがむちゃむちゃおもろい】
TVドラマ未鑑賞、映画予告で「むかつく入間みちお」と地団駄踏んで叫んでいる黒木華に惹かれて見に行った。 あのコツコツ努力して今の地位を築いたかのような委員長タイプの黒木華が、適当に山掛けたら的中してしまったみたいなビギナーズラックっぽい竹野内豊に勝てないのがおもろい。この常に自分を追い込んでないと成果を発揮できないかのような黒木華と、気負わずに真実にゆっくり歩みを進める竹野内豊がぶつかる部分は全部おもろい。黒木華はまっすぐ最短距離で「正義」を追い求めようとする。彼女が信じる「正義」は「悪」の対立概念であり、「悪」が懲らしめられさえすれば皆が幸せになると信じている。今回はその彼女自身の夢想に牙を剝かれる。竹野内豊にとって「正義」はできるだけ遂行されるべき目標のようなもの。「正義」の遂行により、より多くの人が傷つくような目にあう事は彼の本意ではない。彼が求めるのは「真実」の追求であり、何故、それを求めるかといえば、不完全な「法」が履行される事によって発生する被害に対して、大きく傷つく人がいないように公正な判断を下すことが必要だからだ。彼は「正義」マニアではないから、全ての懲罰を彼自身がコントロールできなくても構わない。ただ一連の事件の流れの中、ただ一人が勝って事件の利益を総取りしないように目を光らせている。この構造はちょっと特殊。
竹野内豊、ソフト。彼の周りの小道具が全部変な物に溢れているの面白い。
黒木華、竹野内豊に隠し球でアウトになった事、絶対怒ってると思う。
吉田羊、ガリレオ劇場版
『沈黙のパレード』と立ち位置が似てる。そういう役を任せられる役者という事だろうが、そういうの被るのはあまり良くない。
田中みな実、エロい液だったり、涙だったり、何かウエットなキャスティング。
柄本時生、画面をうるさくする役。適役。アンガールズ田中的であるとも言える。
西野七瀬、画面を鎮静化させる役。適役。美しい。
ちょっと残念なのは裁判で真相が分かった後のパートがけっこう長くてもたついた。
【銭】金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
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映画 イチケイのカラス@映画.com
◆『ブラックナイトパレード』新宿ピカデリー7
▲ポスター
五つ星評価で【★★★期待してないので良い】
「この門より出るもの全ての希望を捨てよ」的に映画を作り続ける福田雄一の新作(
※)。まあ、でも、俺、福田雄一の映画は出来の良し悪しは色々あるけど、全体的には好きよ。今回は良し悪し的には「悪し」の方。でも、期待そんなにしないで見に来てるからいいのだ。原作はパラ見程度だが、上手くなぞっている。このなぞりの上手さが福田雄一の腕だが、良い時には原作のマンガの高揚感もなぞる。悪い時は見かけだけ。ドラマとしての熱い展開を演出が裏切ってしまっている。結果、感動の涙に泣くでもなし、山場を乗り越えるアクションにサッパリするでもなく、平坦に見終えてしまった。
おそらく、細かい設定笑いで繋いで山場はトナカイ実技試験でのアクシデントと回復という構造なのだが、割とトナカイ実技試験がダラダラ長くて盛り上がらない。敵が来る。敵に勝てない。でも、折れない。助けが来る。という展開が熱い筈なのだが、敵のネズミをラスボスも合わせてリアルに作らなかった事が仇になって、主人公の危機感が伝わってこない。最後の助けもそこでその人物から助けが入る必然性が薄い。盛り上がらない。
原作通りかもしれないが、謎が謎のまま多すぎる。クネヒトは何故、顔が見えないのか? クネヒトの手錠何? 帽子君って何? 帽子君と妖精の関係性が分からない。敵のネズミとラスボスのバックボーン不明。橋本環奈のスキンヘッド? 社長のクネヒトを呼び捨てにするの違和感ある。カイザーが先にアルバイトしてるのに三春を「先輩」と呼ぶのおかしくない? など。
ポーソンの映像をみんなで見るシーンは好き。
吉沢亮、顔は二枚目、役三枚目のバランスよし。極めてマンガ的だが感情移入しやすい好人物な感じがよく出ていた。だが、演技自体は渋沢栄一と変わらない。無理に違える必要もないが。
橋本環奈、単に変顔要員になってしまった。それは勿体ないだろ。

▲無駄にスキンヘッド。
中川大志、ゲハハハハハ。今回一番の儲け役。嫌さがあふれ出ている。
渡邊圭祐、周りがあんななのにただ一人普通の役で逆にご苦労様感が強い。
玉木宏、声だけという扱いだが、体が玉木宏に見えてしょうがない。「声だけ」と言うより「体を消している」のではないか? 相変わらずいい声。
佐藤二朗、堂々とパワハラをする、いそうだけど佐藤二朗ファクターがかかっているから憎めない変人。
帽子さんの中身、EDロール見ると〇○ツヨシだろうけど、猛烈に何の話題にもなってない。知った上でもう一回演技を見てみたい。

▲お気に入り。
【銭】前回有料入場割引+ネット割引で1300円。
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ブラックナイトパレード@映画.com※ だが、世の中には「この門より出るもの全ての希望を捨てた上に身体中に人糞ぬったくってワンと吠えろ」的に映画を作る河崎実みたいな更に先に進んだ修羅みたいな人もいるので、福田雄一監督にはぜひともその位置で足踏みしてそれ以上進まないでいてほしい。
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